連日バタバタしていたところへダイハツのハイゼットトラック(S200P)が
「タイミングベルトの交換&クラッチ修理」の為に入庫してきました(^^)
現在の走行距離はまだまだこれからの「13万km」ほどの走行でして
只オーナーは「20万kmは乗りたい!」とのこと。
それじゃ、ご期待に添えるべく作業を開始致しましょう(^o^)丿
そうと決まれば早速ミッションを降ろします。
そして下ろしたMTミッション。
オイル漏れやらクラッチの粉などでドロドロでしたのでキレイに洗浄します。
使用済みのクラッチ板(左)とフライホイール(右)です。
クラッチ板はリベット部分まで減っており危ないところでした。
折角なのでよくオイル漏れするクランクのリヤシールも交換(^^)
ついでじゃないのですが
タイミングベルトの交換も「サクッ」と終えましてこれにて一件落着!のはずでしたが
納車しようと朝一番にエンジンを始動してみるとドンドン回転が下がってエンジンが
止まってしまうんであります(゜゜)
「あれれ?偶然かな」と再始動してみるも「ブルルルルル・・・・ プスン」
マジかよ~(゜゜)
でもエンジンを始動してから強制的にアクセルを吹かして暖気すると何事もなく
アイドリングするようになりましたが、こんな状態じゃとても納車出来ませんので
直ぐにハイゼットのオーナーに事情を話し改めてお時間を頂きました。
それじゃトラブルシュートを始めましょう!
現象が出るのが「冷間時からエンジンが暖気する」までなのでまずはエンジンを冷やします
最近は軽トラックといえどもナメちゃぁいけません!「点火系」&「燃料系」も
「デジタル制御」ですからね。早速、診断機を車両に繋いで何かトラブルをメモリーして
いないか調べてみます。が残念ながら何もトラブルコードは拾っておりません(一一”)
エンジンは直ぐに再始動可能なのでとりあえず点火系はOKと判断して燃料系に的を
絞り攻めていきます。まず冷間時のトラブルで一番怪しいのが「水温センサー」です。
このセンサーはエンジンの水温に合わせて内部の抵抗値が変化しそれを信号として車両の
ECU(エンジンコンピューター)に伝えます。それをベースに車両のECUは
燃料の補正等を制御していきます。だからとても大事なセンサーの一つ。
センサーの断線やショートがあればテスターに表示されるのですがそれがないということは
センサー自体の「特性ずれ」が考えられます。調べるのには一旦エンジンを切ってから
完全に冷えた状態にして水温を測ります。
現在約20℃が表示されております。この車の基本データーが
「水温20℃時のセンサーの抵抗値は2.44KΩ」となっており実際に
この時点で抵抗を測りますと
「1.938KΩ」。思ったとおり「特性ずれ」してる感じです(゜゜)
僅かな差だとお思いでしょうがこの僅かな差がやっぱり影響してくるのです。
ちなみにテスト用にもってるサーミスタ(抵抗値は少し大きいですが・・・)を
水温センサーのカプラーに刺しECUに「擬似信号」を送ってみると
キレイにファーストアイドルが効いて回転は安定しましたよ(^^♪
全くエンジンは止まる気配もなく普通にアイドリングするようになりましたので
間違いなく水温センサーの故障と判断しました。
新品の水温センサー
元の水温センサー。常温で測定しても結構ズレておりました(笑)
水温センサーを新品に交換してエンジンを始動すると何事もなくエンジンは始動(^^♪
ちゃんとファーストアイドルも効き、その間も回転が落ちることなくスムーズに設定された
アイドリング回転数で落ち着きました。ということでコレにて全ての任務が完了しました
のでオーナーに無事に納車させて頂きました。
オーナーから「20万kmまで乗れるかな?」と再度言われましたので店主は
「過積載しないで定期的にちゃんとメンテナンスして普通に使っていたら問題ないです」
とお答えしておきましたよ(^^♪
今まで見てきた中で軽トラックが壊れる原因は「過積載」と「オイル交換の不良」が
ほとんどを占めておりました。特に「過積載」は「クラッチ・ブレーキ・タイヤに
エンジン・ミッション・デフ」と見事に全てを順番にダメにしてくれますのでくれぐれも
お気を付けて下さい。そして「世の為 人の為 お仕事の為」に世界中の軽トラックたちは
今日もどこかで活躍していることでしょう(^^♪
ということで今回はこれにて一件落着!であります。
それじゃ~またな(^o^)丿
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