前回ヘッドライトを殻割りしてレンズを交換したヴィッツのその後のお話。
オーナから「40km時くらいでアクセルを一旦抜いて再び加速すると「カチャ、カチャ?」
という感じの音がする。最近はその音も大きくなってきたみたいなので一度診てほしい」と
いうことなのでヴィッツさまを預かりまして早速点検していきましょう(=゚ω゚)ノ
まずは実際に路上にてテストをしてみました。
オーナーの言う「40kmくらいで・・・」を試してみますが
鳴ってるような ないような?微妙・・・(^^;)
工場に戻ってエンジンを「パッ!」という感じで吹かすと一瞬だけ微かに「カラッ」と
いう感じで聴こえましたが「もしかしてこの音?」
しかし何回か吹かしてるとまた聴こえなくなります(ーー;)
自分の頭の中で「この音って正常?それとも異常?」とグルグルと回り判断が出来ません。
なので音の原因であろうところを一つ、また一つと外してはエンジンを吹かして点検して
いきました。そして結果は・・・
考えられるところは全て外してもその「音」は微かに聴こえ、サウンドスコープで聴く限り
エンジン内部からとしか思えない。なのでこのヴィッツのオーナーに
「言われる微妙な音はなんとか確認できましたがどうもエンジン内部から
その音が聴こえてくる。私なりに診断した結果はタイミングチェーンからだと思います」
とお伝えしました。また「最終的には開けてみないと分からない」ともお伝えすると
オーナーから「気になるので修理してください」と改めてご依頼を頂きましたので
それじゃ今回もいってみましょう(^o^)丿
エンジンのヘッドカバーを剥ぎます。
このオーナーはキチンとオイル交換されているのでエンジンの中がキレイです。
そして肝心の「タイミングチェーン」
微妙に弛んでるみたいです。少し動かすと
う~ん、やっぱり弛んでいますね(゜゜)
しかし本当にチェーンのこの少しの弛みが異音の原因なのか?
疑心暗鬼のまま更に前へと進みます!
タイミングケースカバーも脱着。
チェーンテンショナーも思ったよりも飛び出しておりません。
全部一旦バラシて各部を点検。やっぱりタイミングチェーンは微妙に伸びてる感じ。
カムギア
サイドのチェーンガイド。別段減ってる感じもないです。
クランク側のガイド。よく見りゃ何やら擦った跡が・・・(゜゜)
「これタイミングチェーンが擦った跡だわ。たぶん間違いない。やっと異音の原因を
突き止めたぜ!」(*´з`) この金属製のガイドとクランクギヤとの隙間が少ないので
タイミングチェーンの弛みが発生した時だけココに当たって異音が鳴っていたみたいです。
やっとのことで原因もわかったことですので元通りに組み上げていきましょう。
折角なのでVVTとカムギアも交換します。
タイミングケースもキレイにしておきます。
ウォーターポンプも交換してカバーの取り付け面も全てキレイにします。
新品のタイミングチェーン&ガイド&テンショナーを組付けます。
キチンとタイミングチェーンを張るとほとんど弛みはありません(゜゜)
カバー&オイルパンに液体ガスケットを塗布して組み付けます。
バルブカバーを組付けて
エンジンオイルを注入して冷却水のエアー抜きが出来たら完成です。
早速アイドリング状態から吹かしてみますがあの「カラッ」音は完全に消えました!
実際にロードテストをしても異音は全く鳴りません。
なのでこれにてエンジンの異音修理は完了です!(^^ゞ
オーナーさまにヴィッツを引渡し実際にいつものように乗ってもらいまして
後日、メールにて異音が完全に消えたことをお知らせ頂きました(^^♪
昔は国産車もタイミングチェーンを使ってましたが騒音などの問題で
順次「タイミングベルト」へシフトしていきましたが・・・
そして新たに「タイミングベルト切れ」の問題や「メンテナンスフリー化」の為に
時代は騒音を低減したコマの細かいタイミングチェーンへと進んでおります。
しかしこのサイレント型のタイミングチェーン、オイル交換をキチンとしないと
すぐに伸びてしまうというのは聞いておりましたが今回のようにオイル交換を定期的に
キチンとされているのに係わらず伸びてしまうとは本末転倒です(ーー;)
原因のひとつは何となく分かっているのですが・・・。
このままじゃまた何時かタイミングベルトに戻るかもしれませんね。
取り敢えずタイミングチェーンのオイル管理は大事ということで
ありがとうございました(^^)
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なんとなくnoteも不定期に更新しております。
コメント
ヴィッツのエンジンオイルの交換どうのこうのの問題ではなく、タイミングチェーンの耐久性不足だと思います。リコール問題レベル。
こんにちは。
「O2センサー スス」でネットを徘徊していましたら、貴殿のページへたどり着きました。整備士でもない素人の私には、タイミングチェーンの内部とチェーンが伸びた貴重な画像を拝見できまして参考になりました。
実は私の愛車のムーヴコンテカスタムRS車も、6年2ヶ月ほどで先日20万kmを超えましたので非常に関心を持って読みました。
我がターボ車は、今まで出先でのバッテリー上がり1回を除きノートラブルで20万kmを走ってきたのですが、後発で実績の少ないダイハツのCVTの耐久性とともに、伸びてしまうと簡単に交換できないタイミングチェーンには非常に関心を持っています。
タイミングチェーン車はオイル管理が悪いと厄介だとは聞き及んでいたので、エンジンの保護もプラスして、モチュールのベンツやフィアット用のアプルーバル用オイルのVHVIのH-TECHプライム→8100エクセスの5W-40のオイルを3000km弱で交換してきました。20Lペール缶しかないものの、しかも指定より1番手硬いですが稼働条件厳しいターボ車ということで、この銘柄と粘度に。
で、私のはコンテRS車は2010年式のターボ車なので、アイドルストップはなく、しかも複雑なバルタイ機構もまだ組み込まれていない頃の車ですが、こちらでご紹介されているヴィッツの事例を見て、何万km走られているのか分かりませんが、オイル管理が良くてもチェーンが伸びてしまうのには少しばかりビックリしております。
でもこちらのオーナー様がわずかな異音で修理依頼をされて、大事になる前に無事修理できてオーナー様もお車を大切に乗られている方だと思わずにはおられませんでしたが、製造メーカー側もオイル管理ができていれば30万kmぐらいはチェーンが持つようにしてほしいところですね。
エンジンオイル交換するたびについ気になって、オイルキャップからあの極細のタイミングチェーンを静止状態の時とアイドリング中についガン見してしまいますね。
軽自動車で30万km走行はあまりなさそうですが、メーカー側から見ると過剰品質になっちゃうのかもしれませんが、30万km走行までメンテを手ぬかりなくやれば、ヘッドを開けることなく走ってほしいものです。
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Rotarycoupeさま まいどまいど!です。
詳しくはわかりませんが バルタイが狂うほどタイミングチェーンが伸びると なにかしら異音がすると思います。
VVT関係の異常も考えられなくもないですが まずは
診断機をつないで走行して データーモニターにて各部の状態をみたり 排気ガスを測定したりして 追究してみるのが第一段階かと。(笑)
>知人は20万キロまで乗ると意気込んでおります>>が、、、はたして??
やはり メンテナンス次第でしょう!(^_^;)
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毎度です。
知人のVitz、8万キロを超えたあたりから
冷えている間だけノッキングします。
ハイオク入れても消えません。
しかし温まるとまったくノッキングしなくなります。
ノッキングって熱くなると起きるものでは?
と疑問に思っていましたが
可変バルタイでオーバーラップを調整して
燃料の気化を促進している例があることを知りました。
http://www.ekouhou.net/disp-A,2012-241620.html
ということは、タイミングチェーンが伸びると
オーバーラップが小さくなって、冷間時は
メーカーの想定よりも燃料が薄くなるかもしれないと。
面倒な世の中になったものですね。
知人は20万キロまで乗ると意気込んでおりますが、、、はたして??