今回入庫してきましたのは
スバル レガシィワゴン(BH5)でございます(^^)
オーナーから「24ヶ月点検」と「10万km突破記念」でもあります
「タイミングベルトの交換」をご依頼されました。
しかし
このレガシィさまを点検していてあることに気がつきました(゜゜)
「エアコンが全く効いてないっす」( 一一)
なのですぐにオーナーに連絡致しますと
「ガソリンスタンドで見てもらったらエアコンのガスは入っていますって
言われたよ」とのこと。
「これから暑くなってきたら大変だと思うのですが・・・」とお聞きますと
オーナーは
「タイミングベルトの交換もあるので・・・」とのこと。
それじゃ早速はじめるぞ~!(^o^)丿
スバル レガシィ(BH5)であります。
まずはマニホールドゲージをほりこんでエアコンを診断!
ガソリンスタンドの言うように確かに「エアコンガス」は入ってますが
エアコンガスが入っていても「冷えない」と意味がありません。
そうエアコン修理はここからが本番!
ゲージマニホールドはただ単に「エアコンガス」をチャージするだけの
ものではありません。このゲージの「低圧&高圧」が指す数値を読み取って
「故障診断」が出来る唯一のツールなのです。
昔も今も「エアコンシステム」を診断するには必要不可欠です。
この日の気温から考えると低圧&高圧ともに圧力が少し低い感じ。
エンジンの回転を少し上げて更にチェック!
やっぱりダメだな~(ーー;)
レガシィさまのエアコンが冷えない原因はほぼ間違いなく
「コンプレッサー」の破損だと判断しました!(*_*)
こんな状態で「ガソリンスタンド」や「Oートバックス」、
「イエロー なんちゃら」等のカーショップが
どれほど「エアコン」が冷えないからとガスチャージしても
全くの「無駄」であることがおわかりでしょうか?
それどころか
「エアコンガスの入れ過ぎ!」で正常なところまで壊してしまう場合も
少なくありませんしそういうクルマたちもいっぱい見てきました。
カーエアコンの修理は奥が深いのです!(`´)
ハッキリ言って本当に「エアコンシステム」を理解していないなら
触らないほうが無難です。
どこもかしこも店頭にてのぼりを立てたりしては簡単にエアコンの
ガスチャージをしておりますがそれが後に大きな故障の「引き金」に
なることを全てのオーナーは知っておいたほうがよいと思います。
このレガシィの場合、普段はあまり使いませんが
予算の都合上、今回は中古のコンプレッサーを手配しました。
中古のコンプレッサーが届くのを待ってる間に
「エキパン」と「リキタン」を交換します。
コレとても大事ですぜ!(^^♪
まずは「エキパン」から
エアコンシステムの中でも重要な任務を受けているパーツであります。
このクルマのエキパンはエンジンルームからアクセスできますが
どうしてもエバポレーターを洗浄したいので(笑)
今回は手間のかかる「クーリングユニット」を脱着します。
助手席側のグローブボックスを外すと「クーリングユニット」が見えます。
クーリングユニットを脱着。銀色のものが「エキスパンションバルブ」通称エキパンです。
ちなみに緑色の液体はエアコンの「ガス漏れ検知用」の「蛍光剤」です。
エバポレーターをきれいに洗浄してエキパンを組付けたら元に戻します。
お次はコンデンサーを外します。外したらバイスに固定。
最近はコンデンサーの横がリキッドタンクになっており
頭のネジを緩めると中にはドライヤ(フィルター)が入っております。
元のフィルターは結構汚れていて「銀色」の金属粉がいっぱい付いてました。
たぶんコンプレッサーの破損した部分から出た物だと推測します。
新品のフィルターを組付けたらコンデンサーも車体に取付けします。
そして
手配していた中古のコンプレッサーが到着しましたので
コンプレッサー内のオイルを出来るだけ抜いてから
新しいコンプレッサーオイルを規定量入れて蛍光剤を注入!
コンプレッサーを組付けたらクーラーベルトを調整します。
そして
準備が整いましたので配管内の「真空引き」作業をします。
時間をかけてたっぷりと真空引きをしたらエアコンガスを規定量チャージします。
エンジンを始動してブロアーファンを全開、エアコンスイッチON!
内気循環にして窓を全開!そしてエアコンの吹き出し口と助手席の足元に
乾湿計をセット!この状態にてエアコンの冷え具合をテストしていきます(^^)
するとドンドン温度が下がっていきまして
最終的に吹き出し口で「8℃」ぐらいまで下がるようになりましたよ!
ちなみに
窓を閉めると「4℃近く」まで冷え、保護回路が働いてコンプレッサーが切れます。
中古のコンプレッサー使用でコレだけ冷えれば文句はないでしょう。
これでレガシィのエアコン修理は完了でございます。
ということで
お次は「タイミングベルト」を交換していきましょう!(^o^)丿
まずはクランクプーリーを脱着!
こんな感じでタイミングベルトがこんちくわ!(^^)
水平対向エンジンなんでかなり横に長いです。
タイミングベルトを外して各部をチェックしていきます。
これがウォーターポンプ。
水漏れしていたので問答無用で交換します
更にカムのオイルシールを交換するのにカムプーリーを脱着。
右のカムシャフトに入っている茶色の2つが「カムシール」です。
左右に2個ずつ合計4個も交換しなければなりません( 一一)
クランク&カムシャフトのシールを打ち替えたらウォーターポンプも交換!
アイドラベアリングとかオートテンショナーとかも新品にして
タイミングベルトを張れば無事に完成!(^^♪
タイミングベルトは「10万km交換指定」ですが
もう一つ「10万km交換指定」のものがあります。
そうそれはプラグであります(゜゜)
水平対向エンジンのプラグは10万kmで交換になっておりますので
交換していきましょう。
すでに水平対向エンジンのプラグ交換は作業性が悪いのは承知してますから
焦らずいきます。まずは「右バンク」
こちらは外せるだけ外したら意外とマシです(笑)
問題は「左バンク!」
ボディとのスキマもあまりなく、そこにこの「IGコイル」が入っています。
そして工具をこの狭いところに入れてなんとかプラグを交換します
結構大変ですので
機会があれば是非やってみてくださいませ!(^^♪
これで大体の作業が終わってホッとしたいのですが
「ドライブシャフト」のブーツが破れているのも発見(ーー;)
破れているのは「定番」の内側(インナー側)ですが
こんな感じで下から見ますとグリスが出ており
これでは「車検」に合格しませんのでシャフトブーツを交換します。
普通はドライブシャフトを抜いて分解しますがこのレガシィさまは
破れているのがインナー側だけなのでシャフトは外さずに車上で交換します。
まずはストラットとハブを切り離し、
次にフロントデフとシャフトを切り離します。
そしてベアリングを残して分解します。
ベアリング&カラー、ケースを綺麗に洗浄して致命傷がないか点検しておきます。
問題なければ新しいグリスをたっぷり注入!(^^)
新品のシャフトブーツを装着して元通り組付けたら完成です!
ここで綺麗になったドライブシャフトを見ながら一人悦に入ります(笑)
こういう風に作業することでフロントデフからもオイルが漏れませんので
新たに「デフオイル」を追加する必要もないしデフのオイルシール交換の必要も
なくなります。
折角なんで「フロントデフ」と「リヤデフ」のオイルも交換しようと抜きますと
どうみても「フロントデフ」のオイル量が少ない(゜゜)
いやいや少ないどころかメチャメチャ少ない!
しかも色とニオイと指触りを加味した結果「ATF」と断定!(゜゜)
「なぜ?ココに?誰が?」
謎が謎を呼びます。
基本フロントデフ&リヤデフには「75Wー90」のギヤオイルが指定されております。
実はこの車両、2年ほど前にどこかの「中古車販売店」から購入したみたいで
こちらでは今回初めてのメンテナンスのご依頼でした(^^;)
ということで
フロントデフとリヤデフのオイルも全部抜き替えまして
これにて全ての任務は完了!(^^ゞ
そして
「車検」にも問題なく合格しましたので
レガシィさまは無事オーナーの元へ納車させて頂きました。
ここんとこ、どこかで購入してきた中古車を「点検」してほしいと
よく依頼されます。その度に見たくないのに「その場しのぎの修理」が
よく目につきます(ーー;)
ブレーキパッドが1mmしかなくても交換もせず
「エンジンチェックランプ」&「エアバック」や「ABS」等の
警告灯は球を抜いていたり酷いのになるとオーバーヒートを巧妙に隠していたり
「オイル下がり」や「異音」を添加剤で止めたりとやりたい放題です!(`´)
そんなクルマを大枚はたいて買った日にゃ~「悲しくてクルマにも乗れね」
なのでみな皆様
「安物買いの銭失い」になりませぬようにくれぐれも気を付けて下さいませ!
決して「対岸の火事」ではありませんよ!
(ーー;)

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