綺麗な桜の花が散ったと思いきや、今度は新緑眩しい季節の到来であります!
皆様、ご機嫌いかがでしょうか(^^)
悲しい哉、気持ちの良い期間は本当に短くてこれからあの「蒸し蒸し」とした「梅雨」
そして更に「激アツ!」な夏がやってまいります(ーー;)
寒い時にはあまり関心のない「カーエアコン」がフル稼働になる季節でもアリマス。
そして「使いたい時には壊れて使えない」のもエアコンの常でございます。
そんな来たるべき「Xデー」に備えて
「カーエアコン」の「点検」&「診断」&「修理」を始めるべく
今回も「町工場 奮闘記」スタートでございます(^o^)丿
入庫してきたのはトヨタ カローラフィルダー(NZE121G)であります。
「カーエアコンが冷えない」とのことでオーナーから詳しいお話しを聴いてみますと
「一年前にエアコンが効かなくなりディーラーにてガスチャージ。その時は冷えるように
なり、そして今年にまたエアコンが効かなくなりディーラーにて再度ガスチャージして
もらったが今度は冷えず(ーー;)
ディーラーでは「直せない?」とのことで別の車屋さんにて点検してもらったところ
ガス漏れしてるので「漏れ止め剤」なるものを入れてもらったら冷えるようになったのですが
次の日に「エアコンが全く効かないようになりました」とのことでした。
オーナーがいうように確かにエアコンガスの「漏れ止め剤」が注入されたみたい。
コレを見ただけでもイヤな予感しかしないのです(ーー;)
とりあえず「点検&診断」していきます。
全くガス圧に変化なし。というかコンプレッサーが動いていないのでは(゜゜)
一応、電圧はあるみたい(+_+)
調べたらこのカローラフィルダーに使われているのは「DLコンプレッサー」でした。
「クラッチレス」の「外部制御式」なのでやっかいですぜ!(+_+)
原因がコンプレッサー本体なのか?それとも制御のほうなのか?
「判断」する為に関係箇所を一つずつ潰していきます。
怪しいところはバンバン探っていきましょう!
配線図を見て推測していきます。
リレーの場合は「抵抗」だけでなく実際にスイッチングさせてみます。
配線図から制御関係をさらに詳しく調べます。
診断していく上でいろいろと悩みましたが
最終的に「コンプレッサー本体」の故障と判断しました。
何よりも「DLプーリー」はネジ切れていなかった(゜゜)
そしてココからが大事なところ・・・。
コンプレッサー脱着。
コンデンサーを脱着してエアコンシステムの状態を診ます。
コンデンサーに取り付けられている「ドライヤー」を抜き出すのに
「フィルター」を外したら・・・。
なぜかフィルター部分が目詰まりしており、一箇所だけ破れてます(゜゜)
ドライヤーを引っ張りだしてみると
ドライヤの一部が「カッチカチ」に固まっておりました(゜゜)
ここでやっと店主の頭の中の「?」だったものが全部つながりましたよ。
これは推測ですが「ガス漏れ止め剤」を入れると「水分」と反応してその箇所を
硬化させてしまうので湿気のある「フィルター」&「ドライヤ」部分で固まって
目詰まりを起こし、それに加えて「DLコンプレッサー」は途切れることなく
エンジン回転で常時回されて「高圧側」の圧力はドンドン上がっていき
その「逃げ場」のない高い圧力は硬化して詰まったフィルターを突き破り、
コンプレッサーまで「再起不能」にしてしまったようです(ーー;)
悲しいお話しですが
オーナーにはエアコンシステム「全滅」の診断結果をお知らせしました(+_+)
しかしオーナーは「まだ乗りたい」とのことなのでフィールダーのエアコンを
修理することに決定(^o^)丿
それじゃ分解していくべ。
外した高圧パイプ。
中は「黒い粉」でいっぱい(゜゜)
エキパン&エバポレーターにアクセスするには「ダッシュボード」を
全部脱着しないとダメなことがわかり一気に「トーンダウン」(ーー;)
ということでダッシュボードを脱着していきます(-_-;)
世の中は何かと「近道」をしようとするほど「遠回り」になるのはお約束(+_+)
なので焦らず正攻法でいきましょう。
ダッシュボード関係を外したところ。この真ん中にあるのがクーリングユニット
ブロアーファンを取り外します。
そしてこの四角の物体が「エキパン」。
六角の部分からコンプオイルがかなり漏れてきておりました(゜゜)
たぶん元々のエアコンのガス漏れはここからだと思われます。
ここまできたらクーリングユニットを抜き出します。
取り外したクーリングユニット。このユニットを分解していきます。
ケースを割るとエバポレーターが登場。
エバポの高圧側が黒い粉まみれでした。やっぱり「全滅判定」ですね(ーー;)
プレッシャースイッチとチャージバルブのコアも交換します。
パイプとホースは「詰まり」が無いのを確認してから特殊な洗剤で
念入りに洗浄して再使用します(^^)
新しいリビルトコンプレッサーが到着。
リビルトのコンプレッサーをドッキング。
分解したケースたちもごしごし洗います。
洗ったあとはしばらく放置して乾燥させます。
ブロアーケース。かなりの「ヤニ」がこびりついてました(+_+)
ケースのフィルターにこびりついていた埃たち。層になってましたよ(゜゜)
「ヤニ」で汚れたキチャないブロアファン。
洗浄してきれいにはなりましたが「ヤニ」は強固だす(+_+)
新しいフィルターを組付け。
新品のエバポレーターもドッキング(^^♪
折角なんで「サーミスタ」も替えておきます(^^)
エキパンもダメですね。
エキパンに入るチューブ。高圧側の差込口のOリングが入る部分が
かなり腐食しているので再度「漏れる」前に新品に交換しておきます(^^)
やっとのことで「ヤニ」と「埃」だらけの「クーリングユニット」&「ブロアーケース」を
全て洗浄して組み立てまして、これからやっと車体に組付けていくのですが
とりあえず今回はここまで!(^^♪
ということで次回につづくのであります。
自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する
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こちらでもいろいろとつぶやいておりまする(^^;)
なんとなくnoteも不定期に更新しております。
コメント
元整備士MR2さま まいどです!(^^)
全くおっしゃる通りでございます(笑)
今までもエアコン関係だけに限らず「OX漏れ止め剤」を注入したが為に更なる故障を引き起こした例が
うちに入庫してきただけでも相当数あります(ーー;)
なので、そんなクルマの状態を見る度に「漏れ止め剤」やら「OX添加剤」等のケミカル商品に疑問を抱いているのも事実でして実際に業者の展示会に行った時にそのブース関係者とケミカル商品の必要性についてかなり突っ込んでお話ししたこともあります(^_^;)
全てのケミカル商品がダメだとは思いませんが
「OX漏れ止め剤」等は一時しのぎだとしても
後々の影響を考慮すると個人的には決しておすすめしませんしこちらへ入庫されるオーナー方々にも一切、おすすめはしておりませんデス(^_^;)
エアコン修理はプロでも診断してみないと見積もりが出せない典型ですね。
素人のお客さんは家庭用のエアコンをイメージしているので、ガス漏れ診断するだけでも費用がかかるのが理解されにくいですね。
エアコンの構造知ってたら、ガソリンスタンドなどで薦められるエアコンクリーニングの効果がほとんど無いと分かるのですが、知らない人だと安くて簡単に治るかもしれない(漏れ止め剤)にすがりたくもなりますね。漏れ止め剤で劇的にエアコンが直った人っているんでしょうか?給油口に入れる水抜き剤くらいの効果くらいにしか考えてません。
エアコン全バラしは自分の車を趣味でリフレッシュさせる為に徹底洗浄する分にはいいですが、修理工賃考えながらやると大変そうですね。ただエアコンが直った時のお客さんの満足度は他のどんな修理より勝ると思いますので頑張ってください。
真夏前だったのが不幸中の幸いですね。
あれっくすさま まいどでございます(^^)
愛車に何か故障が発生するとほとんどの方が
「何とか安く簡単に修理したい?」と思うのはよくわかるのですが、全ては故障の「原因」を突き止めて根本から修理しないと直らない(+_+)
早期にきちんと点検&診断してみれば意外とリーズナブルに直ることも多々あります。
そこを「漏れ止め剤」やら「OX剤」等のケミカル商品で済まそうそうとするのですからこちらからみれば
ほんと「ハイリスク・ローリターン」ですよ!(ーー;)
なので個人的には漏れ止め剤等の「ケミカル商品」を信用してませんし周りの方々にもおすすめしておりません! それよりも
「大ゴト」になる前にまずは「点検&診断」を!
(^◇^)
おやびんご苦労様です。
毎度おなじみ、
1原因が分からず対処療法で壊す
2診断できるところにやってくる
3イジリ壊した悲惨な結果お知らせ
4修理もおおごと>>>今ここ
こんな感じでしょうか?
そして結局費用も掛かってしまう。。。
>工賃は仕方ないとしても、ここまで壊さなければ。。。
オーナー様のため頑張ってあげてください!
群馬Uさま こんちくは!
こちらもこんな大ゴトになるとは夢にも思いませんでしたよ(ーー;)
最近は全て「ユニット化」しているのでエアコン修理もダッシュボード脱着が普通になってきてる感じがします(ーー;)
ともあれ「迷宮のアンドローラ?」状態でござんす!
(ーー;)
いつも感心して見てますが、いや~今回はスゴイですねー! エアコン全バラシ! ダッシュ周り全バラシ!
帰り道、迷子にならぬ様気を付けて!