ある日のこと
「オイル漏れが酷いので点検して貰えませんか?」とお話を頂きました(^^)
そして数日後、秘密工場へ入庫すべくオーナーが自走して来たのですが
悲しいことに近くの路上でストップしてしまい、そこから「SOS」(+_+)
2人して何とか店主のところまで持ってきました今回のお車は
ダイハツ ハイゼットトラック(S110P)でございます。
こちら大阪王国では珍しい4WDであります。
オーナーは最西端であろうところからココ大阪まで
転勤の為にこの軽トラ(漢のエアコンレス車)を自走で持ってきたみたいです。
とにもかくにもエンジンが始動出来ないんじゃ話が進みません。
とにかく点検していきましょう(^o^)丿
まずは点火系をチェックしていきます。
プラグは全て「まっ黒!」(゜゜) 完全にカブっておりました。
エンジンの圧縮を測ってみます。全気筒とも圧縮が揃っており良好みたいでした。
清掃してから組付けたらエンジン始動!エンジンは掛かったものの頗る調子が悪く
メチャメチャガソリン臭くて目が痛えっす(>_<)
なので排気ガスを測定してみると
当然ながらぶっちぎりの数値をマーク(゜゜)
最近では少なくなったキャブレター。
点検するとキャブの内部がかなり汚れていたので化学のチカラでキレイにしてみます。
ミクスチャーの通路も通し、ニードルの汚れもキレイにしたら
あらためてキャブ調整をしていい感じのところを探ります(^^)
エンジンの調子が最初の頃からはかなり安定しました(^^♪
そして左リヤブレーキから
ブーツをめくったら銀色の液体がぁぁぁ(゜゜)
バックプレートの塗装も漏れたフルードのおかげで剥がれてしまっております。
リヤブレーキ分解中
シリンダーは虫喰いというかガタガタのボコボコで再使用不可でした。
ピストンも同じくアウチ!(ーー;) ブレーキは効かないと危ないのでオーナーと
協議の結果、修理することに・・・
新しいホイールシリンダー
新しいライニングも組み付けて調整すればリヤブレーキが完成!(^^)
そして本命のエンジンオイルの漏れを点検します。
リフトアップして見たらペラシャフトまで漏れたエンジンオイルでベタベタ。
エンジンを暫くかけているとポタポタ ポタと漏れてきて
エンジンを止めるとかなりボタ ボタ ボタッと漏れてきましたよ(゜゜)
サビ色のサーモスタット!これだけみても今までのメンテナンス状態が判ります(゜゜)
ブラックジャックによろしくなタイミングケース。
随所に先人の苦労の跡が偲ばれます(ーー;)
タイミングベルトが登場。
タイミングベルトを外したら
カムシールからオイルが漏れ放題でしたよ(ーー;)
クランク側は大丈夫みたいです。
取り外したタイミングベルト関係。
草臥れたウォーターポンプ
ウォーターポンプの取り付け面はきれいに研磨しておきます。
中々抜けなかったカムシール(ーー;)
新しいカムシールを打ち込みます。
こちらも新しいクランクシールを打ち込みます。
こんがりガン黒なサーモスタット(゜゜)
エンジンの中の水路もこんな色なのでしょうね。
ウォーターポンプ&バイパスホースも交換。
新品のタイミングベルトを張って
新しいサーモスタットに交換したら完成!(^^)
ブレーキフルードも抜き替え!
エンジンを始動してオイル漏れが無いのを確認出来たらテスト走行へ。
帰ってきたら排気ガスを再計測!
かなり安定しましたよ(^^) そしてピットにて最終チェック。
オイル漏れも無いのでエンジンを切ってしばらく放置していたら・・・
ええ~っ!マジか~!(゜゜) なんと微かにオイルが滲んできておりました。
しかし泣きごとを言っても物事は何も進まないので原因を追求すべく
再度タイミングベルト関係を分解します。
そしてオイル漏れの原因を発見!
シリンダーヘッドのメクラ蓋から漏れてきてるじゃない(゜゜)
しかもこのメクラ蓋、基本的には「カムホルダー」を外さないとダメなんですが・・・。
そこでオーナーと協議の結果、何とか「最小限の修理で」ということで
チカラ技で抜くことに。そしてなんとか抜けましたよ(^^;)
キレイに脱脂して
新品のメクラ蓋に液体ガスケットを塗布して打ち込みます。
あとは元に戻して一日置いといてから三度目のテスト走行へ・・・。
工場へ戻ってきてピットインしてオイル漏れがないのを確認。
それからも暫くは他の仕事の合間に何度も何度も見てはオイル漏れがないのを
確認しました。そして数日が経ってから最終の確認をすると
なんと!またもやオイルが滲んできたじゃない _| ̄|○
やっぱりカムホルダーを外して修理するべきだった。
悔しいので店主は更にオイル漏れを追求しようと思いましたが
大人の事情によりここで「ドクターストップ」。
ということで最終的に完治出来ぬままオーナーの元へ帰還することに
なったハイゼットトラックさま。哀しい哉、久々に情けなくとても
悔いの残る修理になってしまいました。
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こちらでもいろいろとつぶやいておりまする(^^;)
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