波の音を消しましょう!@ ホンダ アクティ(HA7)【エンジン分解修理】

最近、日本中を暴れ倒した大型台風のおかげで

心身ともにグッタリな店主ですが何とか生きております(ーー;)

「生きてるだけで丸儲け」ではございませんが全ては「命」あってのこと。

なので天に召されるまでは必死で生きたいと思う秋の夕暮れであります。

 

ホンダ アクティトラック HA7 E07Z型エンジン 4WD MT

ホンダ アクティトラック HA7

「室内で水の流れる音がします」と今回入庫してきたのは

ホンダ アクティ トラック(HA7)です。

前々から怪しかったのですが中々に現象が掴めず・・・。

やっと頻繁に出だしたので今回の入庫となりました。

早速、エンジンをかけてテスト走行してみると室内のどこからか「ザザァー」と

例の「波の音」が聞こえてきて南国ムード満点です(^^)

サブタンク

まずはサブタンクを見てみるとポコポコと定期的に吹き返して来るのを確認。

排気ガステスターで点検中

大体の原因は特定出来ており、排気ガステスターを使い簡易的に測定してみると

HCの数値が上がる

すでにHCが結構出ており、この時点で原因はほぼ確定。しかし油断できないので

リークテスター装着

更にテスターを使って最終判断。

リークテスターの色が変わる

こんな感じに色が変わりましたので結果、「ヘッドガスケット抜け」が確定。

オーナーにも了解頂きましたので早速修理作業を開始していきましょう(^o^)丿

 

分解するのも楽じゃないっす(ーー゛)

左リヤまわり

アクティやバモスの作業性の悪いのは充分判っておりますので焦らずに確実に作業を開始。

カバー脱着

まずはカバーを外します。各ベルトやらプーリーやらケースを外したら

タイミングベルト

タイミングベルトがこんちくわ!

クランク合いマーク カム合いマーク

タイミングベルト脱着

タイミングベルト関係は前回の時に交換済みなので今回は再利用。

E07Z型エンジン

シリンダーヘッドを剥ぎますので干渉するものは全て撤去していきます。

エンジン上部 インマニ脱着

インマニ脱着。

インマニ裏側

外したインマニ。

インマニ表側 汚れたスロットボディ内

スロットルボディは激汚れ。

紙のガスケット

ホンダがよく使う紙のガスケットは剥がすのが大変なのです(ーー;)

焼けたロッカーアーム

よく焼けたロッカーアーム

焼けたバルブカバー内

捲ったバルブカバー内も焼け焦げておりました。

今のオーナーは定期的にオイル交換をされていますので前オーナーかその前かは

分かりませんがオイルの交換スパンが長かったのがよくわかります(ーー;)

降りたシリンダーヘッド

そうして無事にヘッドを外しました。ちなみに

シリンダーブロック

シリンダーブロック

抜けたヘッドガスケット

抜けたヘッドガスケット②

ここらへんのガスケットが抜けてる感じですね(゜゜)

 

シリンダーヘッドのOH

飴色に焼けたシリンダーヘッド

長年月かけて見事に飴色になったシリンダーヘッド。

今回はオーナーとの協議の結果、シリンダーヘッドをOHすることに決定。

遮熱版を外していきます

遮熱板を外すのですが

脱着したボルト ボルトが折れる

焼けて錆び付いたEX側のボルト&ナットは基本的に緩まず折れます(ーー;)

外れた遮熱版

部品が出るので今回は遮熱板とその仲間たちは交換しておきます。

触媒

触媒は再利用。

荒れた燃焼室

きちゃない燃焼室(ーー;)

ガスケットを付けて検証します

ガスケットを検証してみます。

漏れ箇所の特定

抜けてるのは2番のここでほぼ間違いないでしょう。熱的に一番厳しいところですね。

シリンダーヘッドの面を均します

荒れた面をある程度キレイに均してやります。

面研磨後

この状態で各部の歪みを測定してみるとほとんど限度内でした(^^)

ヘッドを分解

コレまた、きちゃないヘッドを分解していきますぜ!(^^)

ロッカーアームを外す

ロッカーアームを分解し

バルブスプリング

バルブスプリングを抜きまして

カムシャフトを外す

カムシャフトも外したら

抜いたバルブ

バルブを抜いて忘れないようにしておきます(^^)

真っ黒な燃焼室 取れない紙のガスケット

各ポートも真っ黒。そしてお約束なやっぱり剥がれない紙ガスケット(`´)

シリンダーヘッドを煮込みます

長年の汚れと店主の「厄」を落とすべくコトコトことことフォンドボー(^^)

少しキレイになったヘッド

だいぶキレイになりましたが気に喰わねえので更にもう一回煮てやります。

再度煮込みます

その間に

バルブのカーボン

カーボンたつぷりのバルブたちを研磨していきます。

バルブを研磨 かなりカーボンが堆積したEXバルブ

EX側はかなり堆積してます。

EXバルブ バルブ研磨後

全部研磨したら待機しときます。

かなりきれいになったヘッド

だいぶキレイになったヘッド(^^♪

当たり面はシートカット

当たり面が荒れている箇所があるので軽くシートカットしておきます。

バルブのすり合わせ後

バルブの摺り合わせが出来たら液体を張ってバルブとシートの密着度を点検。

コレめちゃ大事っす!(^^♪

ポートからの漏れ無し

ポートからも一切、液体が流れ出てきておりません。

バルブのすり合わせ完成!

長い時間を経ても液体が漏れてこないのでコレでOKとします(^^)

新品のバルブシールを組み付け

キレイになったヘッドに新しいバルブシールを組み付けていきます。

これが俗にいう「オイル下がり」の防止になりまする。

全バルブシールを組み付け

バルブシールを全部組み付けたら

バルブスプリングの組み付け

ツールを使ってバルブスプリングを各バルブに組み付けていきます。

簡単そうに見えておりますが結構めんどくさい作業(ーー;)

バルブスプリング組み付け完了

バルブ&スプリングを組付けたら

バルブを座らせます

とんとんしてバルブを座らせます(^^)

ホンダの純正部品

オーナーから支給されたパワーアップ部品?(^^)

新品のカムシャフト

キレイになったロッカーアーム

Oリング

Oリング

Oリングを組み付けます

プラグホールにオイルのプールが出来る原因の一つでもあるロッカーアームのOリング。

元のカム山を計測

元のカムを計測してみたけどとりあえず基準値内でした。

ロッカーを組み付けました

ロッカー組付け

新品のカムシールを打ち込みます

新しいカムシールを打ち込み。

バルブのクリアランス調整① バルブのクリアランス調整②

この状態である程度バルブクリアランスを調整しておきます。

傷んだEX側のスタッドボルト

傷んでいるEX側のスタッドボルト

ボルトを抜いて

全部抜いて

抜いたスタッドボルト

新品のスタッドボルト

新しいスタッドボルト

スタッドボルトを組み付けていく

一本ずつ一本ずつ組み付ける地味な作業の連続。

全スタッドボルトの交換

気持ち良き!(^^)

IN側のスタッドボルトも交換

ここまできたらIN側のスタッドボルトも交換しておきます。

新しい遮熱版 シリンダーヘッドのOHが完成!

新しい遮熱板とエキマニを組付ければシリンダーヘッドのOHは完成!(^^♪

 

大変な作業が続きます(^^;)

シリンダーブロックの面研磨

ヘッドを組付ける前にブロックの面をキレイに均しておきます。

ピストントップをきれいにします

そして全気筒のピストントップを出来るだけキレイにしていきます。

キレイになったピストントップ

結構きれいになりましたよ!(^^♪

新品のオリフィス

オリフィス

オリフィス交換

必ず交換しとくべし!(゜゜)

新旧のヘッドガスケット

新しいヘッドガスケット(左側)

対策品?

古いガスケットと比べると細かいところが変更になっており品番も変わっているので

対策品なのかもです(^^)

ガスケットをセット

ガスケットをセットしたら

ヘッドを組み付けます

新品のヘッドボルト

新しいヘッドボルトで均等に締め付けて

ヘッド組み付け完了

ヘッドAssyをドッキング!やっとここまできましたよ。

錆びたアイドラは交換

なぜか上のアイドラだけが錆びておりましたので後々のことを考えて交換します。

タイミングベルトを張ります

タイミングベルトを張れたら

シクネスゲージを使ってバルブクリアランスを再調整します

エンジンを回転させながら各気筒のバルブクリアランスの再調整(^^♪

キレイになったバルブカバー

フォンドボーしたバルブカバー。ブローバイで汚れたところもほとんど無くなりました。

タイミングケース組み付け

タイミングケースのカバーも組付けますが

新品のクランクキー

クランクキーは新しいのに交換しておくのが吉!(^^♪

クランクプーリを組み付け

とりあえずここまでで待機!

インマニとスロットルボディ

エンジンに組付ける前にキレイにしておきたい!

インマニ 表

インマニ

こびりついた紙のガスケット

ここでも紙のガスケットを地味にしこしこ剥がしていきます(ーー;)

スロットルボディにもこびりついたGK

スロットルバルブも同じようにしこしこと剥がします(ーー;)

GKをキレイに剥がせた

キレイに剥がしたら

スロットルの面を研磨

面を研磨して

内部を洗浄します

洗浄剤を使って汚れた通路を出来るだけキレイにしていきましょう(^^)

 

ブローバイで汚れたスロットル内部

ブローバイで汚れたスロットルバルブ

キレイになったスロットル

だいぶとキレイになったぜ!(^^♪

インマニを組付けたら他の補機類も全て元に戻していきます。

マウントとエンジンを繋ぎます

マウントをそれぞれ繋いだら完成です!(^^)

完成したエンジン 冷却水を注入

エンジンが組めたら冷却水を張ります。ここからがとても大事!(^^)

メーターの水温は80℃ 吹き返しがないのを確認!

まずはエンジンを始動して吹き返しが無いのを確認。

エアーがとても抜けにくい構造なので何度も何度もエアー抜き作業を行います。

コレをいい加減にしてしまうと必ず痛い目にあいますぜ(`´)

エンジン修理が完成です

完成!(^^♪

 

エンジンの修理は完成しましたが・・・

左前の足まわり

オーナーからの追加依頼で以前に社外のダンパーを組みましたが

ホンダ純正のスプリング

ホンダの他車用の純正スプリングに組替えて欲しいとのことで

ストラットを脱着

再度脱着作業を開始します。

コンプレッサーにセット

コンプレッサーーにセットして

SSTにセットしたストラットからスプリングを外す スプリングを脱着

スプリング抜く!

新しいスプリングを装着

スプリング入れる!

新しいスプリングを組み付けたストラット

フロントの足まわり完成!

完成!(^^)

 

最終チェックの為にテスト走行へ!

テスト走行①

あとは実走行テストにてエンジンの調子や

テスト走行②

異音や変な振動等がないか?

テスト走行③

テストして問題がなければ

ホンダ アクティトラック 後ろ側

コレにて全ての作業が完了!(^^♪

ホンダ アクティトラック HA7

首を長~くして待ちわびるオーナーにも無事に納車させていただきました(^^♪

あと10年は乗れるように真心こめて作業させて頂きましたので(笑)

これでまだまだしばらくは乗っていただきましょう!

それじゃ~またな(^o^)丿

 

タイミングベルト交換&足回り修理 @ ホンダ アクティトラック
ホンダ アクティのタイミングベルト&サスペンションの交換作業を紹介。アクティやバモスは冷却水のエア抜きをキチンとしないとヘッドガスケットが抜けてしまいますので気を付けてください。

 

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ハッコーカーズ|note
大阪の片隅に引き篭もりつつ ひっそりこっそり自動車やバイクの修理をしているものです。現在のこと、これからのこと、過去に経験したことなど書き留めてゆきたい(^^;)で自動車の整備&修理の情報を発信中。

なんとなくnoteも不定期に更新しております。

コメント

  1. 泉 伸彦 より:

    ブログ楽しく読ませて頂きました。
    凄く細かくてビックリです。
    友人から譲り受けました、自分のバモスも波の音がして、たまに水温警告灯が点きます。
    ヤバイでしょう?

    • hakkocars より:

      泉さま コメントありがとうございます(^^) 

      >友人から譲り受けました、自分のバモスも波の音がして、たまに水温警告灯が点きます。
      >ヤバイでしょう?

      たぶんヤバいです(^_^;)

      ホンダのアクティ、バモスの「持病」でエア抜きがきちんと出来ていないと
      ほぼ確実にビッグウェーブに飲まれます。

    • hakkocars より:

      泉さま コメありがとうございます。

      詳しくは「hakkocars@gmail.com」

      の方へお願いします(^_^;)

  2. M2R より:

    明けましておめでとうございます。
    手すきの時間にいつも見せて読ませて頂いております。
    整備の様子が生の感じて伝わってきて興味深く勉強になり大変ありがとうごさいます。
    YouTubeも面白いけど自分のペースで読めるメリットは大きいです。
    (もし配信されたら見ますけど(^_^;))
    これからもよろしくお願いします。

    • hakkocars より:

      M2Rさま 明けましておめでとうございます

      この拙いブログが少しでもお役に立てたのでしたら
      嬉しいかぎりです(^^) 動画配信も以前に少しだけしたことがありますが
      自身がマメではないので世の中の「YouTuber」と言われる方々は
      ホント凄いなと思います。
      これからもマイペースで更新させて頂きますので
      よろしくデス!(^^♪

  3. NET より:

    次の日記を待ち焦がれております

  4. 酔いどれ整備士 より:

    コメントが書き込みにくいですよ!!

    • hakkocars より:

      教えて頂きましてありがとうございます<(_ _)>

      全然、気がつかなかったので助かりました。