店主率いる秘密工場に遠路はるばる西の彼方からお越し頂きましたのは
トヨタ クラウン(GXS12)であります(^^)
今やハードトップが標準のご時世にあえて無骨な「セダン」!
「昭和な匂い」がムンムンしてます(^^;)
しかしどっからどう見ても「役員車」か「タクシー」です(笑)
こんな素敵なマシーンを操るオーナーもなかなかにおもしろい人でした。
オーナーのご依頼は「タイミングベルトの交換&前後ブレーキO/H作業」、
それと「足回りのダンパーを交換したいのですがこのクラウン用には適合する物が無く
タクシーなどに使われるコンフォート用だったらあるんです。そのパーツの販売店に聞くと
自分のクラウンには「適合しません」と言われましたがそのダンパーだけであれば結構
廉価なのでダメ元でも交換出来るなら「人柱」になる覚悟がありますので作業してほしい」
とのことでした。とりあえず現物を見てから作業をするか判断しましょう(^^)
リフトアップ!
息の長い名機「1G」エンジンです。まずはタイミングベルトから始めましょう。
ラジエター脱着
分解中!(^^)
フロントカバーを外すと
タイミングベルトが「こんちくわ!」
タイミングベルトを外しますがこのエンジン、
クランクのタイミングギアに合いマークの「しるし」がなく
クランクプーリーで上死点前60度(バルブとの干渉を避けるため)に合わせてから
プーリーとカバーを外してタイミングギアに「しるし」を付けます。
ちょいと「しるし」を入れてくれるだけで調整する側は楽なんですけどね(^^;)
なんかめんどくさいです。
ウォーターポンプを交換
(右:新品)
新しいウォーターポンプを組付けたら
クランクとカムシールを打ち替えます。
打ち替えました。
SSTを使用して
カムシールも打ち替えです。さぁ~ドンドンと組んでいきますよ!
タイミングベルトを張る為のオートテンションナー。
昔の1Gエンジンとは違い細かいところが進化しております(^^)
とにかくこのオートテンショナー、少し変わってます。
タイミングベルトをかけて回して何も問題がなければ
全部組付けて
冷却水を注入してからエンジンを始動します。
テスターにて水温を見ながら各部をチェック!
とりあえず無問題なので次に足まわりとブレーキのオーバーホール作業を開始します。
フロント分解中!
リヤ分解中!
フロントキャリパーのダストブーツが破れてました(゜゜)
いつものように「入浴」させてキレイにします。
だいぶ汚れが取れましたよ!(^^)
分解してさらに洗浄したら
新しいシール&ブーツを組付けます。
そしてフロントストラットを脱着!
オーナーの懸案事項である「ダンパー」の交換です。
これがそのダンパー。イマドキ珍しいカートリッジ式です(゜゜)
とりあえず分解してみます。
スプリング縮めます。
分解したら
ロッドの太さやケースの寸法を測ります。そしてたぶん使えると判断!
ストラットを分解しますが「ブンカイ シナイデ クダサイ 非分解」と刻印されてました。
ですが何の躊躇もなく分解します。シェルケースのところを蓋してるネジがメチャ堅くて
苦労しましたがなんとか緩めました(^^;)
中には少量のダンパーオイルが残っておりました。
本当はもっとダンパーオイルが入っている筈ですがほとんどなく
それとチッソガス?も入ってる筈なんですが「シュ」ともいいませんでした。
なので乗り味がフニャフニャなのも頷けます(+_+)
シェルケースの中をキレイに洗浄してからこの黒いダンパーを組み込みます。
アッパーも交換して元通り組み付けます。そしてリヤも同じように分解していきます。
(上:新品)
組み付け完了!(^^) 今度はしばらくお休みしていたブレーキを組んでいきましょう。
フロントのブレーキパッドを組み付け。
先ほどオーバーホールしたキャリパーをドッキング!
フロントブレーキが完成!(^^)
リヤのブレーキライニング&シリンダーインナーキット。
ブレーキ調整が出来たらリヤブレーキも完成!(^^)
追加で「ブレーキマスター」もオーバーホールします。
マスター脱着!
分解中!
キレイに洗浄してから
インナーキットを組みつけて
ドッキング!コレにて全ての修理が完了!(^^ゞ
リフレッシュの為に今回交換したパーツたちです。
そして全てが組み上がりましたら早速テスト走行へ・・・
エンジンも静かで組んだ足まわりもいい感じです。
只一つだけ気になったのは信号待ちの時にエアコン全開状態でDレンジで止まっていると
水温が100℃を越えます(゜゜) この車には電動ファンが付いてませんので
たぶんカップリングのヘタリやラジエターの詰まりなどが考えられますので
車の引き渡し時にオーナーにそのことをお伝えしました。
オーナー曰く「資金が出来たらまた修理をお願いします」と言われ他にもいろいろと
おもしろい四方山話をしてくれて遠い西の彼の地へ愛車と共に帰って行きました(^^)/~~~
最近こちらへ来られるオーナーたちは皆さん車が好きでちょっと変わってる人が多いように
思います(笑)そして共通していることは「自分の車が好き!」ということ(^^♪
この世の中に自動車は星の数あれど「この車が好き!他はいらない?」という強い想い。
素晴らしいことです。好きな車を永く乗り続けることは本当のエコだと常々思っています。
そんな皆さんの想いが本気なのでこちらも自然と本気にさせられます。
だからこそ店主のとこで初めて「診る」「触る」車たちが今までどんな「メテナンス」
「整備」「修理」を受けてきたのか?とても気になります。
今回のクラウンも点検&分解してるとポイントごとにキチンとツボを押さえてちゃんと
整備されておりました。この車に対するメカの愛情を少なからず感じました。
見た目や外からでは伺い知ることは難しいですが悲しいかな世の中には「手抜き」や
「いい加減な修理」もやはりあります(一一”)
車のメカのほとんどがちゃんと修理してあげたいと思いこの業界へ入ってくると思います。
只、自身が置かれてる立場によってそれが叶わないのも事実です。また
何にでも安さを求める人が多い( 一一) 今の世の中の風潮も原因の一つだと考えてます。
自動車は人々の「叡智」の結晶です。
大メーカーの賢い大勢の人達が「膨大な時間」と「多額の研究開発費」をかけて
作られるのですから当然といえば当然のこと。
その本気で作られた車たちにこちらも本気で向かわないと車のことは一生判らないかも
しれません。そんな自分の想いがいつまで車たちに伝わるかは判りませんが
車たちの「声」が聞こえなくなるその時まで自分の想いを貫きたいと思う
今日この頃なのであります(*´з`)
自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する
ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します<(_ _)>
こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)
コメント
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こんちくわ。
お元気でしょうか?
こちらはバタバタしていて
ブログにアップする頃には
いい「おもひで」になってました(笑)
車の状態がいい感じに落ち着いたとのことで
良かったです。末永く「愛して」やって
くださいませ!
携帯でブログを見るのは大変でしょうが
これからもよろしくお願いします。
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携帯の画面から、目を顕微鏡のようにして作業を見せていただきました
以前は、工場の隅から「家政婦は見た」のように作業を見ていたのですが…
ブログで見れるとは。
便利な時代になりました。
車のほうは、落ち着いてきたというか、更にいい感じになりましたよ。
気持ちがいいです
できる限り、維持していけたらと思います。
また、よろしくお願いします。