「エンジンが始動できない?」
ホンダのステップワゴン(RF3)がキャリアカーに載せられて店主のところへ
入庫してきました。オーナーにお話を聞くと
「家族と買い物に行き、スーパーの駐車場で待っていると急にエンジンがストップ!
直ぐにエンジンは始動するがDレンジに入れるとエンジンが止まってしまう為に
損保のレッカーサービスを使ってここまで持って来ました」とのことでした。
早速、お車を預かりしまして診断作業を始めましょう。
まずはテスターにてトラブルコードを呼び出します。
異常があるのに「異常なし」( 一一)
セルを回すと普通にエンジンは始動しますがオーナーが言うようにすぐにストップ!
こういう場合「出発点」を間違えると泥沼にハマる可能性があるので落ち着いてここで
しばし考えます。エンジンがストールしてもクルマは
★すぐに再始動が可能。でもアイドリングが続かない
★エンジンが止まる時のタコメーターの針の落ち方が「ストンッ」
★水温に左右されない
これらを踏まえて店主なりの「診断」は
1.アイドルスピードコントロール系
2・エアー吸い&詰まり等
3.点火系
等々がアタマに浮かんできました。
それじゃこれから原因を究明していくぜ!
エンジンがかろうじてアイドリングしている時にテスターにて各データーを見てみると
アイドリング時のエンジン回転数が601rpm。
このエンジンの規定アイドル回転数は「650rpm +ー50rpm」。
一応、規定範囲ですが明らかに低い感じがします。
そしてエンジンを軽く吹かすとそのまま「ストンッ」とエンジンがストップ!(゜゜)
またアイドル中にDレンジを入れるとなんの躊躇もなく直ぐにエンジンがストップします。
全体を通して分かったことは空気の量が補正されていない否、ECUは補正をかけているが
実際にメカニカルな部分が働いてない。なので一番あやしい「RACV」を調べてみます。
エンジンの右側に
スロットルボディーがありRACVはスロットルボディーの「下側」に付いております。
取り合えずダクトを外します。
スロットルの中に結構大きな穴がありましてここに吸い込んだ空気が流れECUから指令を
受けた「RACV」がその空気の量を調節しアイドリングを安定させたり
アイドルアップ等の補正をしております。またここはエンジンからの吹き返しや
ブローバイガスなどで結構汚れて詰まり気味になることが多々ありますので
まずはここへ「化学の力」エンジンクリーナーを注入して掃除します。
どんどんと更にエンジンクリーナーをぶち込んでいきます(^^♪
「RACV」の通路が黒く汚れているのがよく分かります。
これを繰り返してキレイになったところを見計らってエンジンを始動!(^^)
先ほどよりもアイドリングが安定し回転数も「650rpm」になりました(^^♪
エンジンも全然止まらなくなり、Dレンジに入れてもキチンと補正するようになりました。
それからしばらくはテスト走行したりしましたがこのままでも問題無さげなので
ステップワゴンのオーナーには修理内容をキチンと説明させて頂き、しばらく様子を見て
もらうこととなりました(^^) 後日、車の調子を伺いますと
「全然大丈夫!また何かあればお願いします」と言って頂きましたのでホッとしました。
よく考えりゃ~電子制御のエンジンになってから
「ファーストアイドル制御」「セカンドアイドル制御」「アイドルアップ時補正」
「加速&減速時補正」「電気負荷時補正」等をこのたった一つのバルブで多くのことを
「緻密」に更に「複雑」に制御しております。
現在ではこれが仇になってバルブが故障していろいろなワルさをすることもメーカー問わず
増えている感じです。特に最近はホンダの車がウチだけでも何件かありました(*_*)
今回みたいにエアー通路の掃除だけで済めばいいですがバルブ交換になれば結構な出費にな
ります。転ばぬ先の杖ではないですがクルマに合った「適正な粘度のオイル」を定期的に
(3000~5000km)ごとに交換しているほうがブローバイの発生も抑えられると
考えられますので今回のバルブだけではなく結局はエンジン自体にもいい影響を与えると
個人的には思っております(*´з`)
自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する
ご依頼はお問い合わせフォームよりお願いします<(_ _)>
こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)
なんとなくnoteも不定期に更新しております。
コメント
まさに、同じ症状。
おかげでスプレー1本で、解決出来ました!
大変感謝してますm(_ _)m