エアコン修理 顛末記➁ @ ダイハツ タント(L350S)

段々と朝晩が涼しくなってきて確実に秋が近づいている今日この頃ですが

当店は未だにエアコン修理に勤しんでおります(^^;)

ということで今回入庫してきたのは

ダイハツ タント(L350S)であります。

オーナーは全ての窓を全開で大汗をかきながら来社して来られました。

早速エアコンを点検してみますが吹き出し口から出てくる風は「熱風」。

しかも外気温よりも熱いのでこれじゃ流石に乗ってられません。

毎回言うように車内で熱中症になってしまうのも大袈裟ではないです。

ということで早速カーエアコンの診断をしていきましょう。

コンプレッサーからは既に異音がしておりゲージを入れて確認してみると

ガスの量は問題ないのでコンプレッサーの不良と判断しました。

オーナーにコンプレッサー交換と必要な作業の見積もりを提示。

そしてオーナーから無事に了承を得ましたので早速作業を開始します(^o^)丿

外したエアコンのコンプレッサー。

予想通り鉄粉混じりのネズミ色したものがたくさん出てきました(゜゜)

これ良くないパターンです。悲しい哉、システムの分解&洗浄が確定です。

まずドライヤを交換しますがこのタイプはコンデンサーとドライヤが

一体化しており普通はコンデンサーを分解して中にあるドライヤーだけを

交換できるはずなのですが・・・

実際、この車についているコンデンサーはどこにも分解できるところがなくて

交換できません。おかしいと思いパーツリストを何度も確かめたのですが

やっぱりこの年式のタントはドライヤーだけの交換が可能になってます。

お知り合いのダイハツのサービスにも調べて貰ったのですが答えは同じでした。

そして車をよくよく観察していくと・・・

(゜゜)

何げにエアコンの低圧パイプが潰れておりました(゜゜)

鈍い店主もコレを見てやっと気が付きましたよ!

よく見りゃこのマシーン、フロント部分を過去に当てているみたいで

その時にエアコンの高圧パイプは交換されて何故か低圧パイプは凹んだまま放置?

おまけにコンデンサーをその時に中古に交換されているみたいで・・・

それがこのタントより新しい年式のコンデンサーの為、ドライヤーだけの交換が

出来ないというのが店主の推測です(^^;)

原因がわかったので即オーナーに連絡。理由をお話してコンデンサーと低圧パイプの

交換を了承して頂きましたので修理作業を続行します。

凹んだ低圧パイプを交換。残りのホース類、パイプ類は内部をキレイに洗浄して

Oリング関係は全て交換します。

 

室内にあるクーリングユニットを外します。

分解中!

外れたクーリングユニット。

ブロアーモーター部とエバポレーター部が一体になってます。

エアコンのクリーンフィルターですが

めちゃめちゃ「ホコリ&ゴミ」が詰まっており全くクリーンじゃありません。

コレのせいでエアコンの風量が全然足りませんでした。もちろん交換です。

クーリングユニットを分解。

分解したケースをキレイに洗浄して

新品のエバポレーター・エキパン・サーミスタを組付ます。

クーリングユニットを組付け

元に戻して

コンデンサー&コンプレッサーを組み付けたら

時間をかけて真空引きして次の日の朝まで放置しておきます(^^)

そして次の日に漏れがないことが確認できましたので

ガスチャージをしていきましょう。

 

この日の外気温は約31度。

ガス圧を見ながらキッチリと規定のガス量を充填していきます。

いい感じです。

規定の1500回転まで上げるとココまで下がりました。

これだけ冷えればかなり涼しいです(^^)

そしてこのまま野外にテスト走行に行きまして快適に冷えるのを確認。

最初の「情熱・熱風・セレナーデ」から比べたらまさに天国と地獄です(^^;)

そして無事にタントのエアコン修理が完了した訳ですが実際にオーナーに

このタントをを引き渡した時にオーナー自身が「極楽やわ!」と言っておられました。

今回のエアコンの修理をしてみて感じたことは最近のエアコンシステムがすごく簡素化

されていることでした。「コスト削減」が第一でしょうがその限られたコストの中で

最大限の努力をし最大限の効果を発揮させるように全ての配管も最小限の長さ、

各パーツ間の距離も最小限に部品点数も出来るだけ削減。

そしてエバポレーターやコンデンサーなんかも表面積は最大限に、厚さは最大限に薄く

してこれによりガスの充填量も大幅に少なくなり最初は「室内がこんなに広いのにこれ

でほんとに冷えるのかな?」と思っていましたがいい意味で裏切られました。

自動車の技術は絶え間なく進歩し続けているのがよく分かります。

我々クルマの修理に携わるものとしていろんな経験を積みながらコレからも

もっともっと学ばねばなりませんね。(^^♪

 

 

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大阪の片隅に引き篭もりつつ ひっそりこっそり自動車やバイクの修理をしているものです。現在のこと、これからのこと、過去に経験したことなど書き留めてゆきたい(^^;)で自動車の整備&修理の情報を発信中。

なんとなくnoteも不定期に更新しております。

コメント

  1. 店主 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    瓜破太郎さま ありがとうございます

    http://blog.goo.ne.jp/hakko1818/c/08afce8aacabeb9df95f6c66bf30dc63

    こちらを ごらんください。

  2. 瓜破太郎 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    初めまして!
    エアコンが効かなくなり
    サイトで検索して
    たまたま見たのですが
    お店はどこにあるのでしょうか?

  3. 店主 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    コメントありがとうございます。

    >各種のパイプ&ホースの洗浄は何で洗浄するのですか?

    洗剤を通してから高温スチームでキレイに洗います。
    ただ、洗った後は
    必ずエアブローをしっかりしてから
    十分に乾燥させて 水分を完全に除去してください。

  4. 工具好き より:

    SECRET: 0
    PASS:
    いつも、拝見さしていただいてます。
    僕も整備士をやっています。
    お聞きしたいのですが? 各種のパイプ&ホースの洗浄は何で洗浄するのですか?