こんなこともあるんです @ スバル サンバー(KV3)

ある日の昼下がりに

「走行中にエンジンが止まってしまい始動出来ないので点検&修理して貰いたい」との

ご依頼がありましたので早速レッカーにて秘密工場まで運び込まれて来ましたのは

スバル サンバー(KV3)でございます。可愛いい顔した御年27歳(^^)

このくらいの年式になってくると修理というよりほぼ「レストア」みたいな感じです。

このサンバーさまをレッカーしてきたお兄さん曰く

「セルは一応回っているので、たぶんタイミングベルト切れだと思われます」

とのことですので今回も「町工場 奮闘記!」はじめるぞ~(^o^)丿

img_3143.jpg

img_3124.jpg

とりあえず関係者の皆さまがお帰り遊ばされてから故障探求を始めます。

img_3125.jpg

しばらく放置しておきましたら何やらキチャない液体が床に落ちてきました。

何気によく見てみるとエンジンの「冷却水」でしたよ(゜゜)

img_3144.jpgimg_3126.jpg

一年くらい前にタイミングベルトが交換されていたみたいで「タイベル交換したぜ!」シールが

貼られておりました。しかしそんな簡単にタイミングベルトが切れるとは思われず

もう一度サンバーのオーナーに詳しくお話しを聞くことに・・・

するとタイミングベルト交換時にお店の人がウォーターポンプを交換しておらず

「タイミングベルトだけ」しか交換していないことが判明!(゜゜)

原因はそのあたりにあると推測っていうかそこしかねーだろ!(笑)

img_3147.jpg

まずは現在のエンジンの様子を伺うために圧縮を測定します。

img_3149.jpg

一番は少し低い(ーー;)

img_3150.jpgimg_3152.jpg

2番と3番はOK!(^^)

img_3155.jpgimg_3156.jpg

4番は完全に圧縮が足らず「アウチ!」。確かにこれじゃエンジンは始動出来ません(+_+)

img_3157.jpg

最悪の場合「シリンダーヘッド」をオーバーホールすることを前提に

オーナーに了承頂いてから作業開始です(^o^)丿

img_3158.jpgimg_3228.jpg

まずはタイミングベルトを確認します。

img_3229.jpgimg_3230.jpg

クランクプーリーが固くて抜けません(+_+)

img_3231.jpg

かなり頑固!(゜゜)

img_3232.jpg

プーラーを使ってやっと抜きましたが

img_3233.jpgimg_3234.jpg

プーリーの中はサビだらけ(+_+)

img_3235.jpgimg_3236.jpg

クランクシャフトもサビでベッタリですがそれよりも何かケース内外がベトベトです(゜゜)

img_3238.jpgimg_3239.jpg

タイミングケースを開けてみたら何かの粉と固形物が溜まっており明らかに異常事態(゜゜)

img_3241.jpg

おぞましくヘドロなケース裏(゜゜)

img_3242.jpgimg_3245.jpgimg_3246.jpg

そして思っていたようにタイミングベルトは切れておらず。

よく見るとカムプーリーとケースとの「合いマーク」がかなりズレておりました(゜゜)

エンジンの「圧縮抜け」はこれが原因ですね。

img_3247.jpg

そして何故に「プーリーの合いマーク」がズレたのか?

それを知るためにタイミングベルトを外してみると・・・

img_3248.jpg

(゜゜)!

img_3249.jpg

タイミングベルトの背面が擦れて溶けてその溶けたゴムが歯のほうへ流れ込み

カムプーリーのギヤ山をジャンプ↑(>_<)

結果、タイミングがズレてエンジンが始動不能になったということが判明。

img_3251.jpg

そして更に「タイミングベルト」の背面が擦れて溶けた原因が

img_3252.jpg

この真ん中にある「ウォーターポンプ」が焼きついてロックした為でした。

世の中に「たら・れば」は無いけども敢えてタイミングベルトと「同時交換」していたら

無事に済んだのかもしれない(ーー;)

img_3265.jpg

確かこのエンジンはタイミングベルトが切れても「バルブを突かないはず」

ってことを思い出しましたので早速「胃カメラ」で覗いてみましたよ。

img_3266.jpgimg_3267.jpgimg_3268.jpg

画像左上側にあるのが「バルブフェイス」でクラッシュした跡もなく、

クランクを回すとちゃんと作動しており、圧縮上死点でもピストンと干渉しません。

これで「シリンダーヘッド」を剥ぐ必要もなくなりました。

やるじゃんスバル!(^^♪

img_3278.jpg

原因も分かったことなので作業を開始していきます。

img_3279.jpgimg_3280.jpg

あまりにキチャないので強力洗浄中。

img_3281.jpgimg_3282.jpgimg_3283.jpg

ウォーターポンプを外します。

img_3284.jpgimg_3285.jpg

ウォーターポンプは完全にロック状態(゜゜)

img_3286.jpg

img_3287.jpg

クランクシール。漏れ止めのつもりなのでしょうが外側から黒のシール材が

塗られていました(゜゜)

img_3288.jpg

こちらはカムシール。もちろんカチカチに硬化してました。こちらもタペットカバー付近に

べったりと黒いシール材が外側から塗られてましたよ(+_+)

img_3289.jpgimg_3290.jpgimg_3291.jpg

カムシャフトのサビも出来るだけ落とします。

img_3292.jpgimg_3293.jpg

カムシール打ち込み!

img_3294.jpgimg_3295.jpg

クランクシール打ち込み。

img_3299.jpgimg_3300.jpg

取り付け面をキレイにしたら新しいウォーターポンプを組み付けます(^^♪

img_3301.jpgimg_3303.jpgimg_3304.jpg

クランク&カムギヤ部分にタイミングベルトが溶けたカスが焼き付いており

コレがなかなかに強固で剥がれないです(+_+)

img_3305.jpgimg_3306.jpg

新しいタイミングベルトを張ればいい感じになりましたよ(^^♪

img_3307.jpgimg_3308.jpgimg_3309.jpg

ケースカバー等を元に戻していけば完成です(^^)

img_3311.jpg

真っ黒!(゜゜)

img_3312.jpg

プラグも交換。

img_3315.jpgimg_3316.jpg

エンジンオイル&ドレンパッキンも交換。

img_3317.jpg

オイルエレメントも交換します。

img_3318.jpg

ファンベルト等を張りましたら

img_3319.jpg

「水漏れ」の状態で走っていたので予防的にサーモスタットも交換しておきます。

img_3320.jpg

ケースを止めてるボルト。サビて固着しておりました(+_+)

img_3321.jpgimg_3322.jpg

サーモスタット

img_3323.jpg

全部組付けたら真空引きをしてからクーラントを注入!(^^)

img_3324.jpg

そしてエンジンが無事に始動するのを確認しましたので

あとはアイドリングや水温が安定するまで「漏れ」や「異音」等が

ないかじっくりとチェックしていきます。

img_3326.jpg

img_3327.jpg

img_3328.jpg

そして全てが整いましたら いざテスト走行へ!

img_3446.jpg

このサンバーさま、スーパーチャージャー付きなのでよく走ります。

img_3449.jpg

img_3453.jpg

絶好調~!(^^♪

img_3411.jpg

秘密工場に戻ってきて最終チェック。

特に問題もなさそうなのでコレにて全ての修理作業が完了(^^ゞ

待ちわびるオーナーにも喜んでもらえて無事に納車となりました。

そして数ヶ月後・・・

img_3880.jpg

再び あの娘がやって来ました。今回は点検のご依頼です。

エンジン関係は前回に作業しておりますのでブレーキ関係を点検していきます。

img_3881.jpg

リヤブレーキ点検中!

img_3883.jpg

ホイールシリンダーが片方はフルード漏れが有り、もう片方は内部がサビで固着してる

みたいで完全にアウチ!(゜゜)

img_4023.jpg

img_4024.jpg

逝かれたシリンダーを外し

img_4025.jpg

新しいホイールシリンダをドッキング!

img_4028.jpg

こちらは漏れ漏れなホイールシリンダー。

img_4029.jpg

こちらはサビてピストンが固着しておりました(ーー;)

img_4031.jpg

反対側も同じように交換したらブレーキを調整します。

img_4032.jpg

あとはブレーキフルードを各部からキチンと抜き替えるだけ。

img_3461.jpg

ということでコレにて全ての作業が完了!(^^ゞ

これでまだまだ暫くは乗れると思います。ずいぶん手間が掛かりましたが(笑)

またお会い出来るのを楽しみにしておりますぜ。

それじゃ またな~(^o^)丿

 

ダイハツ ハイゼット(S110P) @ エンジンオイル漏れ修理
ダイハツ ハイゼットのオイル漏れが酷いので入庫。しかしエンジンは止まるしブレーキも漏れ漏れ。それらをなんとか修理してエンジンのオイル漏れを修理するのですが漏れが止まらず悲しい結末に・・・

 

 

自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する

ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します<(_ _)>

 

https://twitter.com/hakkocars

こちらでもいろいろとつぶやいておりまする(^^;)

 

ハッコーカーズ|note
大阪の片隅に引き篭もりつつ ひっそりこっそり自動車やバイクの修理をしているものです。現在のこと、これからのこと、過去に経験したことなど書き留めてゆきたい(^^;)で自動車の整備&修理の情報を発信中。

なんとなくnoteも不定期に更新しております。

コメント