最近、日本中を暴れ倒した大型台風のおかげで
心身ともにグッタリな店主ですが何とか生きております(ーー;)
「生きてるだけで丸儲け」ではございませんが全ては「命」あってのこと。
なので天に召されるまでは必死で生きたいと思う秋の夕暮れであります。
「室内で水の流れる音がします」と今回入庫してきたのは
ホンダ アクティ トラック(HA7)です。
前々から怪しかったのですが中々に現象が掴めず・・・。
やっと頻繁に出だしたので今回の入庫となりました。
早速、エンジンをかけてテスト走行してみると室内のどこからか「ザザァー」と
例の「波の音」が聞こえてきて南国ムード満点です(^^)
まずはサブタンクを見てみるとポコポコと定期的に吹き返して来るのを確認。
大体の原因は特定出来ており、排気ガステスターを使い簡易的に測定してみると
すでにHCが結構出ており、この時点で原因はほぼ確定。しかし油断できないので
更にテスターを使って最終判断。
こんな感じに色が変わりましたので結果、「ヘッドガスケット抜け」が確定。
オーナーにも了解頂きましたので早速修理作業を開始していきましょう(^o^)丿
アクティやバモスの作業性の悪いのは充分判っておりますので焦らずに確実に作業を開始。
まずはカバーを外します。各ベルトやらプーリーやらケースを外したら
タイミングベルトがこんちくわ!
タイミングベルト関係は前回の時に交換済みなので今回は再利用。
シリンダーヘッドを剥ぎますので干渉するものは全て撤去していきます。
インマニ脱着。
外したインマニ。
スロットルボディは激汚れ。
ホンダがよく使う紙のガスケットは剥がすのが大変なのです(ーー;)
よく焼けたロッカーアーム
捲ったバルブカバー内も焼け焦げておりました。
今のオーナーは定期的にオイル交換をされていますので前オーナーかその前かは
分かりませんがオイルの交換スパンが長かったのがよくわかります(ーー;)
そうして無事にヘッドを外しました。ちなみに
シリンダーブロック
ここらへんのガスケットが抜けてる感じですね(゜゜)
長年月かけて見事に飴色になったシリンダーヘッド。
今回はオーナーとの協議の結果、シリンダーヘッドをOHすることに決定。
遮熱板を外すのですが
焼けて錆び付いたEX側のボルト&ナットは基本的に緩まず折れます(ーー;)
部品が出るので今回は遮熱板とその仲間たちは交換しておきます。
触媒は再利用。
きちゃない燃焼室(ーー;)
ガスケットを検証してみます。
抜けてるのは2番のここでほぼ間違いないでしょう。熱的に一番厳しいところですね。
荒れた面をある程度キレイに均してやります。
この状態で各部の歪みを測定してみるとほとんど限度内でした(^^)
コレまた、きちゃないヘッドを分解していきますぜ!(^^)
ロッカーアームを分解し
バルブスプリングを抜きまして
カムシャフトも外したら
バルブを抜いて忘れないようにしておきます(^^)
各ポートも真っ黒。そしてお約束なやっぱり剥がれない紙ガスケット(`´)
長年の汚れと店主の「厄」を落とすべくコトコトことことフォンドボー(^^)
だいぶキレイになりましたが気に喰わねえので更にもう一回煮てやります。
その間に
カーボンたつぷりのバルブたちを研磨していきます。
EX側はかなり堆積してます。
全部研磨したら待機しときます。
だいぶキレイになったヘッド(^^♪
当たり面が荒れている箇所があるので軽くシートカットしておきます。
バルブの摺り合わせが出来たら液体を張ってバルブとシートの密着度を点検。
コレめちゃ大事っす!(^^♪
ポートからも一切、液体が流れ出てきておりません。
長い時間を経ても液体が漏れてこないのでコレでOKとします(^^)
キレイになったヘッドに新しいバルブシールを組み付けていきます。
これが俗にいう「オイル下がり」の防止になりまする。
バルブシールを全部組み付けたら
ツールを使ってバルブスプリングを各バルブに組み付けていきます。
簡単そうに見えておりますが結構めんどくさい作業(ーー;)
バルブ&スプリングを組付けたら
とんとんしてバルブを座らせます(^^)
オーナーから支給されたパワーアップ部品?(^^)
Oリング
プラグホールにオイルのプールが出来る原因の一つでもあるロッカーアームのOリング。
元のカムを計測してみたけどとりあえず基準値内でした。
ロッカー組付け
新しいカムシールを打ち込み。
この状態である程度バルブクリアランスを調整しておきます。
傷んでいるEX側のスタッドボルト
全部抜いて
新しいスタッドボルト
一本ずつ一本ずつ組み付ける地味な作業の連続。
気持ち良き!(^^)
ここまできたらIN側のスタッドボルトも交換しておきます。
新しい遮熱板とエキマニを組付ければシリンダーヘッドのOHは完成!(^^♪
ヘッドを組付ける前にブロックの面をキレイに均しておきます。
そして全気筒のピストントップを出来るだけキレイにしていきます。
結構きれいになりましたよ!(^^♪
オリフィス
必ず交換しとくべし!(゜゜)
新しいヘッドガスケット(左側)
古いガスケットと比べると細かいところが変更になっており品番も変わっているので
対策品なのかもです(^^)
ガスケットをセットしたら
新しいヘッドボルトで均等に締め付けて
ヘッドAssyをドッキング!やっとここまできましたよ。
なぜか上のアイドラだけが錆びておりましたので後々のことを考えて交換します。
タイミングベルトを張れたら
エンジンを回転させながら各気筒のバルブクリアランスの再調整(^^♪
フォンドボーしたバルブカバー。ブローバイで汚れたところもほとんど無くなりました。
タイミングケースのカバーも組付けますが
クランクキーは新しいのに交換しておくのが吉!(^^♪
とりあえずここまでで待機!
エンジンに組付ける前にキレイにしておきたい!
インマニ
ここでも紙のガスケットを地味にしこしこ剥がしていきます(ーー;)
スロットルバルブも同じようにしこしこと剥がします(ーー;)
キレイに剥がしたら
面を研磨して
洗浄剤を使って汚れた通路を出来るだけキレイにしていきましょう(^^)
ブローバイで汚れたスロットルバルブ
だいぶとキレイになったぜ!(^^♪
インマニを組付けたら他の補機類も全て元に戻していきます。
マウントをそれぞれ繋いだら完成です!(^^)
エンジンが組めたら冷却水を張ります。ここからがとても大事!(^^)
まずはエンジンを始動して吹き返しが無いのを確認。
エアーがとても抜けにくい構造なので何度も何度もエアー抜き作業を行います。
コレをいい加減にしてしまうと必ず痛い目にあいますぜ(`´)
完成!(^^♪
オーナーからの追加依頼で以前に社外のダンパーを組みましたが
ホンダの他車用の純正スプリングに組替えて欲しいとのことで
再度脱着作業を開始します。
コンプレッサーーにセットして
スプリング抜く!
スプリング入れる!
完成!(^^)
あとは実走行テストにてエンジンの調子や
異音や変な振動等がないか?
テストして問題がなければ
コレにて全ての作業が完了!(^^♪
首を長~くして待ちわびるオーナーにも無事に納車させていただきました(^^♪
あと10年は乗れるように真心こめて作業させて頂きましたので(笑)
これでまだまだしばらくは乗っていただきましょう!
それじゃ~またな(^o^)丿
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こちらでもいろいろとつぶやいておりまする(^^;)
なんとなくnoteも不定期に更新しております。
コメント
ブログ楽しく読ませて頂きました。
凄く細かくてビックリです。
友人から譲り受けました、自分のバモスも波の音がして、たまに水温警告灯が点きます。
ヤバイでしょう?
泉さま コメントありがとうございます(^^)
>友人から譲り受けました、自分のバモスも波の音がして、たまに水温警告灯が点きます。
>ヤバイでしょう?
たぶんヤバいです(^_^;)
ホンダのアクティ、バモスの「持病」でエア抜きがきちんと出来ていないと
ほぼ確実にビッグウェーブに飲まれます。
泉さま コメありがとうございます。
詳しくは「hakkocars@gmail.com」
の方へお願いします(^_^;)
明けましておめでとうございます。
手すきの時間にいつも見せて読ませて頂いております。
整備の様子が生の感じて伝わってきて興味深く勉強になり大変ありがとうごさいます。
YouTubeも面白いけど自分のペースで読めるメリットは大きいです。
(もし配信されたら見ますけど(^_^;))
これからもよろしくお願いします。
M2Rさま 明けましておめでとうございます
この拙いブログが少しでもお役に立てたのでしたら
嬉しいかぎりです(^^) 動画配信も以前に少しだけしたことがありますが
自身がマメではないので世の中の「YouTuber」と言われる方々は
ホント凄いなと思います。
これからもマイペースで更新させて頂きますので
よろしくデス!(^^♪
次の日記を待ち焦がれております
NETさま ありがとうございます
がんばります(^_^.)
コメントが書き込みにくいですよ!!
教えて頂きましてありがとうございます<(_ _)>
全然、気がつかなかったので助かりました。