前回の

「エンジン修理編」の続きであります。
エンジンの修理が無事に終わりホッとしてるのも つかの間、今回はブレーキの修理に
取り掛かります。スバル360は今時珍しい前後「ドラムブレーキ」です。点検の為に
ブレーキのドラムを外そうとしますが全然外れません。ブレーキのライニングが噛んでる
みたいなのでプーラーとスライディングハンマーを使ってショックを与えてから脱着!
これはリヤのブレーキですが思ったとおりブレーキフルードがジャジャ漏れでリヤの
ライニングが噛みついておりました(>_<) とにかく分解していきます。
シリンダー内は見てのとおりサビだらけ。しかも結構「カジリ」も見られます。
あまりにもサビが酷いので「科学のチカラ」を借りてキレイにしてみましょう。
初めて使いましたが
だいぶキレイになりましたよ!(^^) お次はサビサビのシリンダーを修正します。
こういうアルミ用のブラシを使います。これにブレーキフルードを浸して
こんな感じでホーニングしていきます。シリンダーの状態を見ながら慎重に進めます。
見違えるようにキレイになりましたがシリンダーの真ん中あたりのカジリが有り悩みます。
ですがピストンの移動するところは躱してるので大丈夫と判断しました。
そしてピストンですが科学のチカラによりキレイになりましたがやはりこちらも虫食いが
残りました。これを出来るだけキレイにするべく1500~2000番のペーパーにて
磨きます。手でシコシコするのもありですが結構大変なので「文明のチカラ」を使います。
ミニ旋盤にピストンを装着。
オイルを浸したペーパーをピストンを巻くように当てて磨きます。
少し虫喰いが残ってはいますがこれぐらいでしたら全然「無問題!」(^^♪
ゴムカップは新品を用意。国産の他メーカーの物も流用できると思いますが・・・
全ての準備が整いましたのでリヤブレーキを組みます。
ブレーキのライニングは現物を「張替え」で対応しました(^^♪
お次はフロントブレーキです。
リヤみたいに漏れ漏れじゃないので楽勝!かと思ってましたが
けっこう錆びておりました(゜゜) 結局リヤ側と同じように修正していきます。
キレイになったシリンダー。
だいぶキレイになったピストン。
次にドラムを組付けますがその前にハブベアリング(インナー&アウター)に
グリスアップします。
ベアリングをキレイに洗浄したらグリスアップしていくのですが指でシコシコと押し込んで
いくのもいいですが結構疲れるのでまたもや「文明のチカラ」を使いましょう!
これはほんとに便利です。一撃でグリスアップ出来ます。
費用対効果は抜群です。店主の今年いち押しツールでもあります。
そしてドラムを被せて
フロント
リヤ。全てが組み上がりましたらエアー抜きをしてブレーキ調整を行います。
そしてタイヤを履かせたら完成!
あとは排気ガステスターにて排気ガスを点検&キャブ調整&ヘッドライト調整。
とうとうココまできました。ほんとにほんとに長い道のりでしたよ(*´з`)
そして次の日車検のために高速に乗り検査場へ・・・
自分の順番がきて検査ラインに突入!ブレーキにヘッドライトに排気ガス等をテスト。
何の問題もなく全て一発で合格でした。ちょっと拍子抜けしましたがブレーキを検査して
いたらお歳を召した検査官から「いい整備してる」とお褒めのお言葉を頂きましたよ(^^;)
この仕事を20数年やってて検査官から初めて言われました(笑)
何よりも修理屋冥利につきますね。素直に嬉しかった(^^♪
無事に車検にも合格したスバル360は待ちわびるオーナーの元へ巣立っていきました。
昭和のニオイがたっぷりの「スバル360」
メッチャ可愛ええヤツですが時はすでに21世紀。
まともに走らせるようにコンディションを維持するには小まめなメンテナンスが必要です。
ハンパじゃない維持費も掛かります。なによりも旧車の宿命でもあるパーツの供給に
これからもっともっと困るようになるでしょう(一一”)
でもオーナーが乗り続けるのであればあの手この手その手で奮闘して修理して
最後の最後まで走らせてあげたいと思うんであります(^o^)丿

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ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します<(_ _)>
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なんとなくnoteも不定期に更新しております。
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