今回は当ブログでも好評な「何処か」の「誰か」が「何気に」購入してしまった
中古車の点検&整備シリーズでございます。実際に購入してみたものの
「買って天国、来てみりゃ地獄!」(T_T)
そんなせつなくもほろ苦い魅惑の中古車の世界を是非ご覧あれ(^o^)丿
今回秘密工場に入庫してきたのはクライスラーのPTクルーザーであります。
ファーストインプレッションとしては外観はレトロスタイルみたいでいい感じ。
でもって気のせいか?エンジンがやたらと振動しているようです(゜゜)
エンジンの回転もなんか重いし。いきなりネガティブな展開からのスタートです。
とりあえずリフトアップして点検していきましょう。
エンジンは2000ccのFF。エンジンルームはギッチリと詰まっており
とてもメンテナンス性を「無視」した造りになっております。
ラジエターの冷却水。一体、クーラントはどこにいったのでしょうか?
完全な「サビ水」になってましたよ(゜゜)
ラジエターキャップ。テスターにて調べましたがコレっぽっちも圧力を保持しない
只の「フタ」になっておりました(゜゜) こちらも完全にアウチ!
下まわりも点検していきます。
気のせいか「ATF」みたいな液体が漏れています。
エンジンマウントが切れてました。間違いなくこれが振動の原因だよね(゜゜)
サビサビのディスクローター。ブレーキパッドはまだ残りがあるのでこのまま使えそう。
でもこのPTクルーザーさま、各部を点検していると前オーナーか若しくはその前かは
知りませんがほとんど乗りっぱなしでメンテナンスもされていない感じです(ーー;)
しかもどこかの原っぱみたいな青空の下で長い間「放置プレイ」されていたっぽい。
ということでこのままじゃラチがあかないので1つずつネガな部分を直していくぞ!
冷却水を抜いたら錆びたサーモスタットが登場。
後々、問題を起こしそうなので
新品のサーモスタットに交換。
しかし作業がやりにくい(+_+)
変わった形をしたラジエターのドレンコック。
これも交換。
一日置いてただけでセルの回りが弱くエンジンの掛かりが非常に悪いので
バックアップしといて
緑青でコーティングされてるターミナル端子をゴシゴシしてから
新品のバッテリーを奢ってやりました。エンジンオイル&オイルエレメントも交換して
エアエレメントもキチャないので交換しときます。
例のエンジンマウント。
とりあえず外してみました。
こりゃダメだわ(+_+)
新しいエンジンマウント(下側)
エンジンマウントを装着。新しいマウントは少し改良されていました。
「只のフタ」になっていた「ラジエターキャップ」も交換。
水を注入してエンジン始動(゜゜) あの不快な振動が完全に消えました!
マジでエンジンマウントの効果は絶大ですね。
そしてテスターにてオーバーヒートさせないように暫く水温を監視してますと
何時までたっても電動ファンが回りません(゜゜)
「やばいんじゃねぇ!」と本気で思ったその瞬間、「ブォーーーン」と電動ファンが
回りました。テスターを見てみると
「105℃」って遅いんじゃねぇのか。とても心配になってきました(ーー;)
それと何かは判りませんがこのPTクルーザー、触れば触る程に店主の中に
モヤモヤしたものが溜まっていきます。エンジンを掛けて様子を見ている間に
烏龍茶色したブレーキフルードを抜き替えておきます。
この車も中々よい汚れ具合ですが前回にでも前後のブレーキキャリパーから
きちんと抜き替えてたら多分こんなには汚れていないかと思います。
フルードを全輪からキレイに抜き替えしたら
こんな感じになります。エンジンも温まりリフトから降ろす前にもう一度各部を点検!
ATのオイルパン辺りからATFがめちゃ漏れてきましたよ(゜゜)
どうもオイルパンに使われている液体ガスケットが原因みたいですが
それよりもオイルパンの「形状」&「取付け位置」の方が問題だな。
とりあえずオイルパンを剥ぎましょう。
エンジンルームにあるレベルゲージで見たらキレイに見えていたATFも
下から抜いてみりゃかなり汚れてました。
ストレーナー。
スズキや三菱系で使われているような布タイプのフィルターでした。
結構詰まっていたのでPTクルーザーのATF交換をするならストレーナーの同時交換は
必須です。ちなみに
国産車と同じように銀粉だらけでした(ーー;)
外したオイルパン。
よく観察してみると液体ガスケットがほんとに最小限しか塗ってませんでした。
それでいいのですがあまりに「貧弱」。せめてもう少し塗ってくれれば良かったのに。
オイルパンの中の磁石。
オイルパン共々、鉄粉が山盛りでした。どれだけ良い機械を使ってATFをキレイに
したと謳っても「百聞は 一見に如かず」。店主的にはこの鉄粉をキレイにせずに
ATFの交換はないです。
ガスケットを除去してオイルパンをキレイにします。
新品のストレーナー。
ドッキング!(^^♪ 二度と漏れてこないよう液体ガスケットを塗って
オイルパンもドッキング!液体ガスケットが完全に乾いたのを見計らって
クライスラー純正指定のATFを注入します。
暫くエンジンを掛けておいて漏れがないのを確認(^^)
その間に磨り減ったタイヤを入れ替えておきます。
そしてとうとうリフトから降りましたよ!(^^)
排気ガスの測定。結構優秀です。
ヘッドライトの測定&調整と時間は掛かりましたがようやくここまできました。
あとは車検に合格してナンバーを貰えたら「公道デビュー」なのですが・・・。

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