前回のつづきからです。
碌々メンテナンスをされていなかったことが発覚した悲しきアメ車「PTクルーザー」。
何気に中古車で購入したところまでは良かったが色んなところに問題を抱えており
それでも地道にネガな部分を潰してゆき、やっと車検の日を迎えたのですが・・・
見事車検に「不合格!」_| ̄|○
何故?って検査に行ってくれたウチの車検部隊に聞いてみたら
「タイロッドにガタがあるってピットで降ろされて指摘された」とのこと。
マジかよ~!(゜゜)
店主も車検前に工場のピットで左右のタイロッドのガタを何度も何度も調べたのに・・・。
悔しいので検査場から帰ってきたままで再度ピットにて点検。すると全くガタがない(゜゜)
しかし何度かピットに入り直してから点検すると言われたとおりガタがありました。
チックショー!(>_<) そして更に追い打ちをかけるようににウチの車検部隊からは
「このクルマ、エアコンが全然冷えないのだけど」と告られましたよ。
「おーまいが!」(`´)
この瞬間、店主の中で溜まりに溜まっていたものが大爆発!テンションは急降下し
全く何もする気が起きず暫くPTクルーザーを完全に放置プレイすることに<(`^´)>
そして数日が過ぎ、気を取り直して再出発です(笑)
先にガタのあったタイロッドエンドを交換します。
切り離し
新しいタイロッドエンド(左側)
新しい方はグリスニップル付きです。
新品のタイロッドエンドを組み付け。当たり前ですが今度はガタは無いっす。
組み込んだらもう一度サイドスリップを点検&調整しておきます。
そして全く冷えなかったらしいエアコンを点検&診断していきましょう。
まず判ったことは電動ファンがエアコンON時に回っていません(゜゜)
水温が上がるとファンが回るのでエンジンはオーバーヒートにはなりませんが
コレじゃエアコンは冷えません(ーー;)
なので強制的にファンを回すようにしてからマニホールドゲージを投入。
ガス圧を点検してみるとどうも「高圧側」が詰まってるんじゃないか?
更に追求していくと高圧側のパイプがめちゃ冷たくなってきました(゜゜)
明らかにおかしいので原因を追求していきます。
パイプを直接手で触りながら詰まっている箇所を追いかけてゆきます。
アナログ的な手法ですがほぼ「どこが詰まっているか?」が分かりましたよ(^^♪
だけどもエアコンの修理は後にして先に車検へ行きまして結果は無事に合格。
やっとナンバーもついて「公道デビュー」ですよ!(^o^)丿
それじゃ今後も快適に走ってもらう為にエアコン修理を続行しましょう。
前まわりを取っ払い
ラジエターから
電動ファンを外しました。しかしこの作業をしている時、何かしら遠い昔に嗅いだことの
ある懐かしい匂いがしました。「何の匂い?」とエンジンルームを覗くと
「おーまいがっ!」(゜゜) ラジエターから水漏れしてきてるじぁねぇか!
マジかよ!(゜゜) シュラウドで隠れてるから全く判らなかったっていうか
もう ほんとに勘弁してほしい(T_T) トラブルの宝庫なのかPTクルーザー。
仕方がねぇのでラジエターを外します。
分解中
外したラジエター。
コアから漏れてましたよしかも2箇所も(゜゜)
どうしようもないので一連の経緯をオーナーに報告して協議の結果、
今回は中古のラジエターで対応することに決定。
またまた数日を経て中古のラジエターがキター!(^^)
「さぁ~組んでいくぜ!」とテンションを上げて作業を開始。
でもって・・・「アレ?」「あれれ?」「ファッ?」
気のせいかATF用のパイプが見当たらないんですけど・・・
もしかしてやってしまったんじゃね(+_+)
しかし過ぎたことをいつまでもクヨクヨしてても何も解決しないので
いろいろ対策を練ることに。
ラジエター屋さんにお願いして購入した中古ラジエターに元々のラジエターの
ロアタンクを組み替えしてもらいました。
電動ファンは「アッセンブリー」の設定しかなく高価なのでいろいろと探してみると
社外品の新品モーターを発見しました。
モーターが焼けた「にほい」と金属の粉が積もってました(゜゜)
たぶん低速側のブラシの残骸と思われます。
ファンモーターをば組替えました。コレで多い日も安心!(^^♪
全てのことが整いましたので一気にいきますぜ。
ラジエター関係を組む前に作業性の悪い高圧パイプを交換しておきます。
コレが詰まっていた高圧パイプ。試しにエアを吹き付けても全く通らず。
この少し膨らんだ部分に「オリフィス」が入っているみたいで
詰まりを取ろうとアレやコレを試しましたが結局取れず。
新品のパイプに交換。
修理したラジエターを組付けます。
電動ファンも組み付けたら他もドンドン組み付けていきましょう。
そして全て組付けたらエンジンを掛けて冷却水を廻します。
最初の頃、確か電動ファンが「105℃」で回ってましたが
ちょうど「100℃」で回るようになりました(^^)
これでひと安心です。そして最後の仕上げは
エアコンシステムをじっくりと時間を掛けて真空引き&ガスチャージ!
お陰で寒いくらい冷えるようになりました(^^)
全てを組み上げたら魅惑のテストドライブ!
あの不快な振動も消えたしエアコンもめちゃ効くようになりました(^^)
こうして長きに渡る店主とPTクルーザーとの闘いが終わりました。
待ちわびるオーナーにも無事に納車することが出来ましてホントに感無量です。
まさかここまで泣かされるとは思いもよりませんでしたが勉強にもなりました。
でも今回の作業を通して一番感じたことは中古車の販売において「不都合」な故障個所を
「何処か」の「誰か」が意図的に隠している?と考えられることでした。
コレじゃ購入した方はたまったもんじゃないっす(`´)
このブログをご覧になって笑っておられる皆さまも「対岸の火事」だと思って見ていると
いつの日かご自身が身をもって体感する日が来るかもしれません。
とにかく中古車を購入される方には
★覚悟を決めて購入するべし!
★転んでも絶対に泣かない!
コレを肝に銘じて楽しくも切ない中古車ライフを満喫して頂きたいと思います。
それじゃ またな~(^o^)丿

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こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)
コメント
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アレックスさま まいど!です。
>昔ほどひどくなくなったとはいえ、自動車業界も未だに悪い習慣が抜けない方も多くいるってことでしょうか?
ちゃんとしているところも 勿論あるでしょうが ちゃんとしていないところも 相も変わらずあるのもこの業界。
特に中古車は修理個所があると利益を圧迫していくので
結局はごまかす方向に・・・・(ーー;)
なので中古車はいろんな意味で「覚悟」が必要だと
思います。(^_^;)
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昔ほどひどくなくなったとはいえ、自動車業界も未だに悪い習慣が抜けない方も多くいるってことでしょうか?
かくいう私も、7月に中古で業者オークションで引っ張ってきたのですが・・・
・10万kmでタイミングベルト交換歴なし。
>これは覚悟の上で購入。変な整備ならない方がマシ。
ここからは想定外の・・・
・エアコンコンプレッサーベアリングから「ゴー」
・よく見るとラジエーターお漏らし。
>オークション会場に値引き交渉(笑)
内外装4点に騙されちゃ「だめよ~ダメダメ!」
(画像で音は聞こえませんから・・・)
おかげさんで、全部修理したら安心して乗れる、綺麗で静かなEJ20が出来上がりましたが。
車体を安く仕入れても、修理代で1.5倍になっちゃった典型的なパターンですね。
(想定予算内だったんで、まぁいいかって感じですが。)