ある日のこと。
「知り合いからクルマを譲ってもらう事になったので一度点検して貰えませんか?」と
メールにてご依頼いただきました(^^)
入庫してきたのはダイハツ ムーブ(L900S)でございます。
オーナー曰く「このクルマを20万kmまで乗りたいんです」とのこと。
了解です(^^ゞ それじゃ早速点検していきましょう。
まずはエンジンがハンチングしているので排ガステスターにて排気ガスを測定します。
すると「CO」はあまり変化しませんが「HC」の数値が高くエンジン回転に比例して
上下しておりました。
「O2センサー」及び「ISC」もキチンと仕事をしており特に問題無し。
ということでほぼ失火で間違いないと判断しました。
IGコイル
外したプラグ
よく見ると電極部分が減って「とんがりコーン」のようになっておりましたよ。
(旧品)
(新品)プラグを交換したらエンジンのハンチングは何事もなかったように消え去りました。
ドンドン点検していきましょう。ラジエターのサブタンクの水が減っていたので
ラジエターのキャップを開けてみたら・・・
何かが落ち込んでる(゜゜)
サルベージしてみるとラジエターキャップがバラバラになっておりました。
コレじゃ圧力が掛かったら冷却水が外へ出っぱなしです(ーー;)
もう少しそのままでいたら間違いなくオーバーヒートしていた事でしょう。
そして「10万km突破記念」でありますタイミングベルトも交換します。
じっくりとエンジン周りを点検してみると・・・
マスターシリンダーの辺りがヤケに油ぎっていたので
最初マスターからの漏れを疑いましたがよくよく見てみると
(゜゜)!
パワステポンプから漏れたフルードが飛び散っておりました(゜゜)
タイミングベルトを交換する為に
邪魔するものはドンドン外していきましょう。
そしてタイミングベルトがこんちくは(^^)
カムプーリーを外せばカムシールがこんにちは。
古いシールは抜き取ってキレイに清掃しておきます。
新しいカムシールを打ち込みますが慎重に打ち込まないと後で必ず漏れてきます。
同じように慎重にクランクシールも打ち込みます。
外したウォーターポンプ
今回はローターヘッドだけの交換でしたがベースのガスケットとOリングも
交換しておきました。
ウォターポンプを組付けたら
タイミングベルトを適正に張りましょう。
ケースカバーや各プーリーを組付け。
漏れが発覚したパワステポンプ。エンジンルームが狭くて作業性が悪い為、
外すのもひと苦労です(ーー;)
ポンプのフロントシールから漏れているのでシールだけ交換したいのですが
勿論、部品単品の供給は無し(ーー;) 大昔はほとんどのメーカーに
「オーバーホールキット」の設定が有ったのですが時の流れを感じます。
仕方がねえのでリビルト品で対応します。
組付けたらベルトを張って調整作業。
古くなってくるとエアーホース関係やバキュームホース、ブローバイホース等も劣化し
触れば触るほどバキバキに割れたり折れたりするので出来るだけ交換しておきましょう。
結局あとでエアー吸いなどでエンジン不調の原因になったりするもんで。
ということでエンジン関係が終わったら
ロアアームのブーツ。
破れてるので修理しましょう。
ロアアームとナックルを切り離し
古いブーツを外してきちゃないグリスを除去します。
新しいグリスを注入してから
ロアブーツを組付けます(^^)
フロントブレーキ
ブレーキパッドもちょうど交換時期に来ておりました。
リヤブレーキ
分解中!
ライニングも交換。コレが結構めんどい(ーー;)
リヤブレーキ完成。
冷却水を注入して最終チェック!
規定温度で電動ファンが回るのを確認出来ましたら
いつものテストコースにて実走行テスト。
生憎の雨模様でしたが異音、振動等も無く走行フィーリングも上々!
工場に戻ってきてピットから下回りを点検します。
最終的に点検して特に問題なければ全ての作業が完了です(^^♪
そして最後にオーナーからの追加依頼で
ドアトリム脱着。
ドアロックアクチュエーター
(右側:新品)
組付ければ
Fドアのロック交換&立て付け調整作業も出来ましたのでコレにて全ての作業が完了(^^ゞ
オーナにだけは少しだけ気になるところをお伝えしまして無事に納車となりました。
ということで是非にこのムーブで20万kmまで行ってもらいましょう。
それじゃまたな~(^o^)丿

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