ここ最近、店主のところに点検のご依頼をされるお車の約半数くらいが
何かしらブレーキシステムにトラブルが発生しております。
しかも「早期発見、早期治療」ならいいのですがブレーキ関係は外観から
点検してもあまり詳しくは分からないことも多いので結局 傷んでいるのに乗り続けて
発見が遅れて最後「開けてビックリ玉手箱」になる傾向があります(゜゜)
これだけ世の中に点検も「適当」、整備も「適当」な「低価格重視」の車検や
ひたすら何もしない検査ラインを通すだけの車検代行が蔓延っていては残念ながら
仕方がないのかもしれません(+_+) 本来ならばその時に点検&修理に必要だったコストは
いつか必ずご自身へ「高リスク&高コスト」となって跳ね返ってくることだけは間違いないと
思います。
今回は以前にもご縁のありましたトヨタ セリカXX(1GーGEU)でございます。
「24ヶ月点検&車検」でお預かりしましたが前回突然の出来事に見舞われあまりの哀しみに
不覚にも工場の片隅で涙を流した「白煙修理」でエンジン関係は触っておりますので
今回はブレーキ関係を重点的に点検していきます。
フロントブレーキ。少し片効きしてる感じ?
リヤブレーキ。ほとんど減ってしまってブレーキパッドがありません(゜゜)
フロントのブレーキホース。スパッと切れており完全にアウチ!(゜゜)
在庫があったので新品の純正ブレーキホースに交換!
キャリパーのスライドピン。グリスが全くありませんでした(゜゜)
そりゃ、片効きしますって(笑)
こちらはリヤのブレーキパッド。
こちらのキャリパーも摺動してませんでしたのでキチンと仕事をするように組みました。
そしてフロントブレーキをば組んでいきます。
左側が完成したので今度は右側のブレーキを組んでいると
ぎゃあああああーーー(゜゜)!
キャリパーのピストンをゆっくりと戻していると「ドバッ!」とフルードが漏れてきました。
泣いて喚いても仕方がねぇので折角組んだ左側もバラして
急遽、ブレーキキャリパーをオーバーホールすることに・・・。
しかしこうやってマジマジと見るとかなりヤレてます(゜゜)
前回or前々回でしょうか、どこのどなたが作業されたのかは知りませんが
ブレーキフルードがキレイに抜き替えされていないのがよ~く分かりましたよ!
シリンダー内を修正してピストンをきれいにしたら
組付けしてテストします。
そしてキャリパーのOHが完成(^^♪
これでブレーキも本来の「チカラ」を発揮することでしょう。そして車検にも無事に合格!
オーナーにもご説明させて頂きまして無事に納車となりました。
と、いつもならココで終わりたいんですがそれから数ヶ月後・・・
「エンジンが始動できないんです」とセリカのオーナーからの突然のSOS!(゜゜)
お話を聞くとどうもかなり遠方の山の中らしくこちらも話の内容から「点火系」の
故障かもしれないと判断。なのでオーナーには
「その場ではたぶん対処出来ないから出来ればこちらの工場までレッカー車で運んで
もらって下さい」とお伝えしました(^^;)
それから数時間後・・・
セリカXXが瀕死の状態で店主のところへ運ばれてきました。
早速オーナーから詳しく事情を聞き、取り敢えずキーをひねると
「ぶおおお~ん」と何事もなくエンジンが始動。
「ええっー!」とオーナー(゜゜)
エンジンが始動してからは全く止まる気配もないので
「たくさん荷物を積んでいるのでこのまま一度乗って帰ってもいいですか?」と
オーナーが言われるのですが「でもたぶん、途中でまた止まりますよ」と店主。
それでも取り敢えずそのままオーナーは乗って帰られましたが・・・
5分もしないうちに「やっぱり止まりました~(ToT)」と連絡が入りましたので
改めて引取りにいきました。
お預かりして早速「点検&診断」作業に入ります。
とりあえず先にパルセーションダンパーで簡易的に燃圧を調べると問題なさげ。
なので点火系に絞って故障診断開始です(^^)/
まずはメーター内にあるチェックランプの点滅回数で何かエラーコードが
入力されていないかを調べます。
すると「14」のトラブルコードが表示されました。
これは「点火系」に何か不具合が起こったことを意味してます。
この時点で勘の良いメカの方ならお分かりになるでしょうがそれはおいといて
取り敢えずネガな部分を潰していきましょう!
デストリビューター
抵抗は問題なし。デスキャップのリークもなし。
ついでに「エアギャップ」も無問題!
回転信号も問題なさげです(^^)
基本どおり車の頭脳である「ECU」から各信号を調べると
IGt(点火指示信号)「火を点けなさいよ」ってECUから信号は送られてるみたい。
IGf(点火確認信号)「火を点けましたぜ!」って信号がECUに全く還ってきていない。
思ったとおりの結果でした。
やっぱり君らしかおれへんやん。
訳の分からね信号?ノイズ?が出てる時点でイグナイターの故障が確定ですね(゜゜)
早速
・部品商に連絡→新品は無し。勿論「製廃」(ーー;)
・全国ネットのリサイクル部品商に連絡→部品全く無し(ーー;)
故障の原因はわかったけどパーツがない(+_+)
「万事休す!」と悩んでいる時に某オークションにて「ソアラ用」ではあるが
一個だけ微妙に高い?足元価格(笑)で売っているのを発見!
ちょうどセリカのオーナーがこちらへ来たのでこれまでの訳を話すと
「それしかないのであれば行くしかない!」と漢気たっぷりでその場で落札(^^)
それから数日後、
来ったよ 来たよイグナイター(^^♪
しかし微妙にきちゃない・・・(ーー゛) 古いから仕方ないけど・・・( 一一)
使えるのであればそんなことはどうでもよいので
合体!そして「キーON!」
エンジンに火が入り「ブォォォォォォ~ン」と一発始動!ヽ(´▽`)/
やっほ~! やったぜ~!ヽ(´▽`)/
IGt信号
IGf信号 因みに当たり前ですがキチンと信号は出ておりましたヽ(´▽`)/
お外へテスト走行しても特に問題もなさそうですので
コレにて全ての修理が完了です(^^ゞ
めでたし めでたし!(*´з`)

自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する
ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します(_ _)>
こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)
コメント