前回 エンジンが「復活!」したと ぬか喜びしたニュージー生まれのフレイザーさま。
突然止まったエンジンは今度は何度クランキングしても全く始動出来ないようになって
しまいました(ーー;)
しかし悲嘆にくれている間もなくあれやこれやいろいろ考えられる事を試していくのですが
それでもエンジンは息を吹き返してくれません(>_<)
以前みたいな初爆もなくなりました。では点火はしているがタイミングはどうかと思い
タイミングベルトを点検。タイミングベルトはダルダル状態でしたのでキッチリと張り直し、
改めて点火タイミングを見ますが特に問題なし(ーー;)
圧縮を測っても全気筒キレイに揃っており全く問題なし(ーー;)
この時点で最初の原因であった点火系とは別の原因があると判断し
診断を「燃料系」に絞ります!まずは基本噴射量を決定している「エアフロ」そして
「水温センサー」等を点検しますが数値的には規定値内なので一応問題なし。
なので次に燃圧を測定してみます。
すると「キーON」でも全く圧力が上がりません。
これではさすがにエンジンは始動出来ません。
なので電源&アース関係、サーキットオープニングリレーを点検してみますが無問題(ーー;)
それではとダイアグのカプラーの「Fp端子」と「E1端子」を短絡して
フューエルポンプに直に電源をいれると「ウィーン」とポンプの作動音が聞こえます。
下からアクセスするためにリフトアップ。
フューエルポンプを点検。実際にホースを外してポンプを動かしてみます。
一応ガソリンは出てきましたが残念ながら燃圧は「0」・・・
なんかモヤモヤが晴れません。もう一度燃圧を測ってみると・・・
なんと!バッチリ圧力が掛かっているじゃないですか(゜゜)
一体どういうこと?ほんとに訳が分かりません。
とりあえずクランキングしてみますと「きゅる きゅる きゅる~ぶぉぶぼぼぼ~ん」と
エンジンが始動!が即ブシュ~ンと停止(ーー;) 何度クランキングしても同じ状態です。
点火もタイミングもOk、圧縮も燃圧もOkなのにエンジンが始動しない。何故?
もしかして「噴射」が悪いのかとインジェクターも点検してみます。
結果は4本ともにキレイに噴射しておりました。
この時点で完全に詰んでしまいました。全く訳が分かりません。
このままではドンドン深みにハマると思ったのでしばらくの間「放置プレイ」にして
一度全てをリセットすることに・・・。
その間に他のお仕事をこなしていきます。
そして家に帰ってから昔使っていた古い資料を引っ張り出しては調べておりました。
数日後、再度「迷宮入り」に挑戦デス!(^o^)丿
もう一度基本に戻り最初から診断していきます。そしてここで一つ気になる事がありました。
それはインジェクターの作動音が途切れることでした。
「もしかして なんかのフェイルセーフ?」と考えました。
でも「回転系も問題ないしエアフロは最初すぐに点検して一応OKだったし」と
考えましたが「とにかく藁にも縋りたい」「一縷の望みにも掛けたい」状態ですので
エアフロのコネクターを切り離してわざと「フェイルセーフ状態」にしたら・・・
「きゅるきゅるきゅる ぶぉ~ん!」と何の躊躇もなくエンジンが始動!(゜゜)
「やっぱりエアフロかよ~!」(ーー;)
やっとのことで原因が分かりましたよ!しかし随分遠回りしました。
エアフロも何回も点検したのに・・・。
やっぱり「抵抗値」や「電圧」の測定だけじゃわからないこともあるのだ!
ということで早速エアフロを脱着!
現在はあまり使われない「フラップ式(メジャーリングプレート)エアフロメーター」です。
しかも過去に蓋を開けた形跡がありどうも「燃料の調整」をしているみたいでした(ーー;)
どうしても気になるので蓋を開けて点検してみました。
フラップが全閉状態の時は「約300Ω」。これは規定値内でしたが
ほんの少しだけフラップが動かすと「約1.5KΩ」(゜゜)
これは完全に規定値を超えており、直ぐに断線状態になります。
これでエアフロが完全にアウト!なのが確定しましたのですぐに手配しましたが
悲しいことにコレも勿論「廃番」(>_<)
いろいろ調べてみると「AE92のS/C用」が適合するみたいなので探していたら
なんとコレまた奇跡の新品エアフロをゲット!(^^)
早速このエアフロを組みつけて
ドキドキ ドキドキしながら「キーON!」
「キュル キュル キュル ウォォォォーン!」と一発でエンジンが始動しました\(^o^)/
やっほー!キター!\(^o^)/ 本当に長かった。マジで苦労しましたよ!
そしてエンジンは全く止まることなくファーストアイドルの為に
更に回転は上昇し次第に安定してアイドリングするようになりました。
店主がフレイザーの様子を見ながら余韻に浸っているとちょうどこのクルマのオーナーが
お願いしていたブレーキのパーツを持って登場!(^^) そして
「エンジン掛かったんか!おおっ~!掛かってるやないか!ほんまかいな!
俺も先が長くないし?このクルマにももう乗れないと思ってたからな。
兄ちゃん ほんまありがとうな!」と何回も何回も御礼を言われました(笑)
そしてお次は追加作業である「ブレーキの修理」に移ります。
このクルマの左フロントキャリパーからフルードが漏れてきておりましたので
急遽、ブレーキキャリパーのオーバーホールが決定!
しかしシールキットを注文するのにメーカーをみると
「JFZ?」全く知らないメーカーでしたが調べてみたらアメリカのブレーキメーカー
「ウィルウッド」の前身みたいでした(^^;)
なのでこのフレイザーのオーナーにお願いしてニュージーランドの「フレイザー本社」から
直接送ってもらうことに・・・。それでは修理作業を開始していきましょう。
シンプルな対向4ポットのキャリパー。アルミ製でメチャ軽いっす(^^)
ピストン
きれいにして
新しいシールをセット!
そしてピストンを組みつけて
エアー抜きしたら完成!(^^)
ということでコレにて全ての作業が完了しました(^^ゞ
作業に約1ヶ月半近くも掛かり、ほんとに大変でしたけど良い勉強をさせて頂きました。
フレイザーのオーナーに感謝です!ありがとうございました。
(^o^)丿

自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する
ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します<(_ _)>
こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)
コメント
SECRET: 0
PASS:
コメントありがとうございます。
今回のフレイザーには ほんまに泣かされました(笑)ブログではとても全てを載せ切れない。なんせ無理やりに4AGのS/Cを詰め込んでいるので配線もいろんなところがカットしてあったりでかなり苦戦しました。また訳のわからん?症状が色々出てきたりしてほんとにトホホ状態でした(泣)ブログでは言葉がたりてないんですがフェイルセーフでフューエルカットするのは「点火確認信号がECUに入力されなかった時」なので回転系 点火系は問題なしと考えたので あえてエアフロのコネクターを外し「フューエルセーフ状態」にして逆にエンジンがかかるか試したのです。それでエンジンがかかったので「エアフロ不良」と判断した訳です。今回はいろんな故障が複合的に絡みあっていい勉強になりました。
また こんな拙いブログでもお役に立ててうれしいです。自分の愛車を自分の手を汚して触っていくことによって「愛着」は更に増します。
ちなみに オイラのところでは新車はほとんど売れません 皆さんが愛車を修理して長く乗ってくださるので(笑)一台のクルマを末永くのることが本当の「エコ」ですから。17歳のパートナー、困った事がありましたら どこまでおチカラになれるかわかりませんが いつでもご相談ください。
ありがとうございました。
SECRET: 0
PASS:
初めてお便りさせていただきます。
この「ドツボに、、、」は大変興味を持って解決編を待っておりました。おめでとうございます。フェイルセイフが働くと止まるとは知っていましたが、実際にそうなった例は初めて拝見しました。
このブログのおかげで「触りたい」病気が復活し、愛車のRブレーキパッドを自分で交換しました。初めてだったので、サイドブレーキ自動調整の戻し方が分からず難儀しました。ようやくその方法が分かり、キャリパーを外したまま一服している間に、娘がブレーキペダルを踏み込み、、、気が付いたらピストンが大きく飛び出していました。何とか押し戻して組み上げ、今これを書いています。もしフルードが漏れ出したら、お店にお邪魔させてください。今年で17歳になる我が愛車は突っ込みどころが満載です。。。