エンジン始動出来ず?@ フレイザー(4AG)

ある時、一人のお客さんが店主の元を訊ねて来て言いました。

「点検してほしい車がある。いろいろと大人の事情があり長い間 知り合いのクルマ屋に

預けていたが結局、部品をいろいろ交換したがエンジンが始動しない」とのこと。

何かワケありなのでとりあえずクルマを見せてもらうことに・・・。

しばらくして入庫してきた車はニュージーランド生まれのフレイザーでした。

しかもエンジンはトヨタの4AG スーパーチャージャーを搭載しております。

しかし、ざっと見ただけでも交換したパーツがたくさん積んであったり

あちらこちらに修理しようと努力した跡が垣間見えました(^^;)

元々かは知りませんが配線関係もやたら雑でいつ車両火災が起こってもおかしくないような

状態ですしトヨタの4AGのS/Cを無理から積んだ感のある突っ込みどころ満載な

マシーンであります。とりあえず預かって点検&診断していきましょう!

まずはキーを回してエンジンを始動してみます。

すると初爆はありますがアイドリングせず「ストン」と止まってしまいます。

何度やっても同じで「完爆」しません!(一一”) なのでまず4AGは電子制御エンジン

なので「自己診断」からエラーコードが読めるはず。

このカプラーにテスターをつないでみますが案定の「通信エラー」の表示(>_<)

仕方がないんで手探りで点火系から診ていきましょう。

昔なつかしいデストリビューター。最近はとんと見なくなりましたね。

簡易的に点検するためにプラグコードにタイミングライトをかましてクランキング。

するとたまにしか火花が飛んでいないような感じです。

分解して点検していくと

コードとキャップは新品に交換されておりましたが

 

ローターが「リーク」しておりましたよ(゜゜)

早速ローターを注文し組み付けますと火花はちゃんと出るようになり

エンジンも一瞬だけ始動したのですがまた元のようにエンジンは不動に・・・

しかも今度は「2番」と「4番」が飛ばないようになり

この時点でどうも複合的に故障しているような感じがしてきました。

ドツボにハマるのは出来るだけ避けたいので慎重に探っていきます。

目視で配線関係を見ると

イグナイターへと繋がっているコネクターの端子がキチンと刺さってないのを発見!(゜゜)

早速その端子だけカプラーから外し別で合体!しかし、エンジンの状況は変わらず。

IGコイルとイグナイターを点検。

「キーON」で電圧はありますが何故か安定しません。

イグナイターのアース不良を疑って本体を脱着しました。

サビが浮いていたイグナイターのボディーをブラストで飛ばしてみたり。

折角なので分解して点検します。

端子が剥がれそうになっているのがありましたので

全部の端子を再ハンダ付けしておきます(^^)

これを組み付けるとコイルの電圧&イグナイターのアースともに良好になりましたが

エンジンは相も変わらず不動のまま・・・ここらで点火波形を診ていきます。

エンジンスコープの調子が悪いので簡易オシロで点検していきます。

下が「IGT信号」(点火信号)で上が「IGF信号」(点火確認信号)

波形が全体的におかしい?

しかしIGT信号が一応出ているのでエンジンの初爆があるみたいですが

IGF信号がちゃんと出ていない。やっぱりイグナイターかと思い

ストックしてあった「ハチロク用」のイグナイターを組んでみましたがやはりダメ(ーー;)

なんで今度はECUをチェックしてみます。

しかしコンデンサーの液漏れもなく基盤の焼け等も見当たらない。う~ん(ーー;)

仕方がねぇのでECUの各端子の電圧と波形を見ているとあることに気がついた(゜゜)

クランキングすると「NE」(回転信号)が乱れたり波形がところどころ途切れている(゜゜)

このエンジンの回転信号はデストリビューターに組み込まれているピックアップからECUに

入力されます。デスビ単体の抵抗を測ってみると

残念ながら規定値内でした。しかしデスビの方で波形を見るとやっぱり途切れたり乱れます。

デスビは以前に交換されたみたいでキレイな状態だったので今までノーマークでした。

只、もうこのピックも廃番で当然デスビも廃番(+_+)

オーナーに事情を話すと「全部アンタに任せるから交換せなアカンもんは交換してくれ」と

言われておりますがモノのがないんじゃコチラもお手上げです(+_+)

しかしいろんなところを探しまくりましたら何と

奇跡的に「新品」のデスビをゲット!(^^♪

嬉しくて早速組みつけてエンジンをかけてみると・・・

「きゅるきゅるきゅる~ブオォォン!」(゜゜)「おおっ~!掛かったー!やったぜ~!」(゜゜)

そのままファーストアイドルも効いて回転が上昇していく!

しかし2分ほど経過した瞬間、「ブッシューン?」という雄たけびと共にエンジンがまたもや

止まってしまいました。

「ええっ~、マジで!」(゜゜)と店主はチカラ一杯叫びましたが

あろうことか今度はエンジンが完全に「始動不能」になってしまいました_| ̄|〇

その瞬間、正に天国から地獄へバックドロップ!

クルマの神様、あんまりです トホホホ・・・

(ToT)

 

続 エンジン始動出来ず?@ フレイザー(4AG)
4AG搭載フレイザーの修理の続きです。散々調べ倒してデスビの故障が判りエンジンが始動しましたがまた始動出来ず。迷宮入りしそうでしたがエアフロの故障が判明。長い眠りから復活しました。

 

 

自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する

ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します<(_ _)>

 

 

https://twitter.com/hakkocars

こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)

コメント