エンジン始動不良? @メルセデス ベンツ バネオ(W414)

物語は一通のメールから始まりました。そして何度かメールをやり取りした後

実際に秘密工場に来て頂いて詳しくお話を聞いてみました。

オーナー曰く「セルモーターがキーを離しても回りっぱなしになる?」みたいで

そして何かの拍子にエンジンは始動出来るらしくこの時点で「ドツボ」にハマる感

タップリでした(ーー;)

お車はベンツ バネオ(W414)であります。

問題児であった「Aクラス」をもう少し大きくした感じです。

早速お仕事の合間に何度も何度もことあるごとにIGキーを回しますが

エンジンは普通に始動してしまいます(*_*)

簡易テスターでトラブルがないか調べますと上記のようなコードが記憶されてました。

一旦消去して再度チェックしても同じエラーコードが出てきます。

仕方がないので現象が出るまでしばらく待ちます。そして

次の日、朝一番にキーを回すとエンジンが始動出来ず!(゜゜)

オーナーが言っていたようにキーから手を離してもセルが回っている状態に・・・。

それから何度キーを回しても同じでしたので配線図を見たりして原因を色々と

考えましたが何故かもう一つ良い考えが浮かびません。

なので一度自分の考え、固定観念を「リセット!」( ̄▽ ̄)

スタートラインに戻り、改めて一から現象を確認するとあることに気がつきました。

それはずっとセルモーターが回りっぱなしになることにばかり執着し気を取られて

いましたが実際にはエンジンが「始動」出来ないことです。逆に考えたら

「エンジンさえ始動出来ればセルモーターは回りっぱなしにならないのでは?」

と考えました(゜゜) 実際に昨日までエンジンが普通に始動する時はセルも問題ありません

でした。なので早速そこのところを攻めていきましょう(^^)/

まずは「点火系」です。

エンジンルーム前方にIGコイルがあるのですがこれがメチャやりにくい!(ーー;)

プラグ一つ点検するのも一苦労です。泣かせてくれますぜ!ベンツさま・・・。

見た感じIGコイル交換の場合、問答無用でIGコイルAssyの雰囲気がプンプンします。

ベンツマークの入ったプラグです。

キレイな焼け方をしていてどこにもくすぶった跡や湿った感がないので

点火系はほぼ問題ないと判断!なので燃料系統を攻めます。

リフトアップ!

運転席の足元にヒューズ&リレー関係が集まっており

フューエルポンプの作動確認&電圧を計測します。

「キーON」でリレーのスイッチングを確認。電圧も無問題。

更に同じリレーを差し替えしましたがエンジンは始動出来ず。更に追いかけます。

途中のハーネスのところを調べます。電圧&アースも問題ありません。

ここまで調べて問題ないということはフューエルポンプ本体が怪しい(゜゜)

ここでハーネスを切り離しポンプ側へ直接電圧をかけるようにして車体下から

ポンプの音を聞きますが全く聞こえません。

なのでこの時点でほぼ間違いなく「フューエルポンプ本体の故障」と判断しました。

フューエルポンプ本体は燃料タンクの中ですのでこの車の場合、必然的に燃料タンクを

降ろさないとダメみたいです。

早速燃料タンクを降ろしていきます。因みに燃料タンクはプラ製でした(゜゜)

タンクの真ん中にあるのがフューエルポンプ

フューエルポンプユニットからコネクターを外してみます。

右端の端子が焼けており、まわりのプラスティックが溶けておりましたよ!(゜゜)

なのでフューエルポンプ側の差込みを見ると

コネクターの刺さる相手側の端子が焼けて溶けて「穴」が開いておりました(゜゜)

他の端子も焼けてきておりましたのでいずれダメになっていたことでしょう。

フューエルエレメントも同時交換します。ところが

外したエレメントから出てきたガソリンが何故か「白濁」していました。

そのエレメントを口でくわえて息を吹きかけますとかなり抵抗があります。

そこへちょうど注文していた新品のエレメントがきたので

同じように息を吹きかけてみると抵抗なくスースーと空気が通ります。

やっぱりかなり「詰まってる」感じがしました。

ひとつの仮定としてFポンプが先かフィルターが先かは分かりませんが

フィルターが詰まり気味になってポンプに過大に負荷が掛かりフューエルポンプの故障

に繋がったのではないかと考えます。

このバネオ、現在の走行距離は約50、000kmほどです。そう考えると

フューエルフィルターは早めに定期的に交換するほうがフューエルポンプの

寿命を少しでも延ばせるかもしれません。

そうこうしているとフューエルポンプも届きましたので

早速交換しました。しかしココで問題発生!(゜゜)

あの「焼けた」コネクター&ハーネスが

国内に「在庫なし!」(>_<) 本国発注で1ヶ月以上必要になるらしい。

これにはメッチャ困りました(>_<)

あとからこのハーネスを交換するとしてもまた燃料タンクを降ろさないといけないし

だからといって焼けたコネクターをそのままにしてはおけません。

またバネオのオーナーから「OO日までに直してほしい」と期限を切られていたので

いろいろと思案した結果、ハーネスを少し改造して配線をハンダ付けしてテスターで

点検しながら組付けました。

燃料タンクをドッキング!

各部を確認後、ガソリンを注入しドキドキしながら「キーON!」

リヤシートの方から「ウィーン」とモーター音が聞こえてきました。

セルを回すと一発でエンジンは始動。良かった!とほっとひと安心(^^;)

予防策として「フューエルポンプリレー」も同時交換しておきました。

それから2日ほど朝から晩まで他の仕事の合間に隙を見てはちょこちょことエンジンを

掛けてみましたが全く問題なく始動できることを確認出来ましたので

この状態でオーナーに無事に納車させて頂きました(^^♪

昔々のキャブ車の時代と違い現在主流のインジェクション車はほとんどが

電動の「インタンク式」フューエルポンプを使用しております。

このフューエルポンプのモーターは燃料によって冷却も兼ねていますので

タンク内のガソリンが常に減ったままで走行しているとモーターに負担がかかり

途端に性能が低下してゆき最終的に壊れてしまいます(ーー;)

なのでうちのお客さんには上記の理由から

「絶対にガス欠をさせないでください」とお伝えしております。

そして「世の中はガソリンが不当に高い状態で大変ですが出来れば

燃料が半分減ったら満タンにするようにしてください」と付け加えてます。

クルマを維持するのは大変なことですがタイヤのエアー圧を調整したり

御自分でボンネットを開けて点検したりオイルを交換したり、

たまにはカーステの音楽を切って走りながらエンジンの音を聞いてみたり・・・etc

そういうちょっとした積み重ねや気配りが愛車を一日でも長く走らすことの出来る

秘訣かもしれません。

でわでわ!(^^♪

 

スバル レガシィ(BG5) @ 燃料漏れは大変でした!
スバル レガシィの燃料漏れ修理です。燃料タンクを降ろしたりパイプを製作したりと大変な修理作業でしたがオーナーにも喜んで頂けて良かったです。スバル車のメンテナンスはハッコーカーズへ

 

 

自動車の「車検・点検・メンテナンス・整備・修理」等に関する

ご依頼はお問い合わせフォームよりお願い致します<(_ _)>

 

 

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こちらでもいろいろとつぶやいております(^^;)

コメント

  1. 店主 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    当ブログへお越し頂きまして 
    ありがとうございます。

    故障診断ですが 
    まずは テスターや診断機にて
    過去になにか不具合はないか
    トラブルコードを調べる。
    それから 
    点火系なのか
    燃料系なのか 吸気系なのかを 
    絞っていくことがとても大事です。
    「そんなこと言われなくてもわかってるわ」と
    思われるかも知れませんが これが出来ないと
    トラブルシュートは泥沼にはまってしまいます。

    点火系なら 火が飛んでいるか?
    燃料系なら 燃圧はあるのか?
    吸気系なら エアーの吸い込みはないか?

    などなど ひとつずつ ネガな部分を
    推理しながら潰していくしかないです。

    エンジン始動不良も
    上記のことに加えまして
    セル本体もあればリレーもありますし
    配線&コネクターの焼けもあります。
    また、電圧が14.2Vあっても
    「電流」が足らないのかもしれません。

    答えになってないと思いますが
    実際 トラブルシュートはむずかしいです。
    しかも実車も診る事なく あてずっぽうで
    答えるのなら尚更でしょう。

  2. ロップ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    @ ベンツ バネオ(W414)の記事読ませていただきました。
    バネオについての修理記事があまり無いのでたいへん参考になりました。
    画像や説明も分かりやすくて直ぐにブックマークさせて頂きました。
    突然で申し訳ありませんが良かったらお応え下さい。
    自分も同じバネオ乗りなのですがここ数日で2回エンストをしてしまい原因が分からず困っております。症状で言うと1日停めておいて始動後数分暖気させた後(アイドル中e/g回転不安定)前進しようとドライブに入れてブレーキを放したらエンスト。(1回目)
    次はその3日後に同じく1日停めた後、始動して発進は出来たのですが200mほど進んでバックレンジに入れたらエンスト。(2回目)
    ここ最近、数キロ走ってエンジンが暖まりきるまではアイドリングが不安定で「ドッ…ドドッ…ドッ…」といった感じでいつ止まってもおかしくない雰囲気なのです。同時にエンジンがかからないという症状も併発しておりまして関連があるのかないのかも分からず困っております。長距離で150kmほど走行した後5分ほど休憩し再出発しようとしたらセルは回ろうとしてる感じで「ググッ…」っとなるのですがバッテリー上がりの様な状態でパワーがない感じでかからず、時間をおいて5回ほどチャレンジしたらなんとか始動したのでそのまま帰途につきその後数日は症状が出ず、冬だしと思ってバッテリーを交換してその次の日の朝に再びかからずで2回目のチャレンジでかかりました。不安でしたのでその場で何回かon、offを繰り返しましたがその後は出ませんでした。バッテリーも交換し、発電も14.2V出てますので電力的には問題無さそうなので回ろうとしているということは普通にセルがダメなのかどこかでスタート電圧が落ちているのかアイドル不良の電気が足りてないような感じと関係があるのか…。
    現状での自分の素人見解を述べますとアイドル不良はプラグもしくはイグニッションの不良、エアフローセンサーの不良、フュエルフィルターの汚れ、ポンプ不良、クランク角センサーの不良、のどれか。始動不良はセルの回転が重いのでブラシ磨耗かコミュの磨耗、ハーネス不良。
    先週末にディーラーへ行ったら忙しいからその日は無理と断られ、修理中もそこのディーラー購入でないと代車は貸せないと言われたため現在思案中です。
    可能性が高そうな原因、チェックした方が良い箇所等ご存じでしたらご指導下さい。大変困っておりますので宜しくお願い致します。

  3. 店主 より:

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    PASS:
    こんちくわ!

    テストドライブ? ありがとうございました(笑)

    人も車も? お元気そうで なによりです。

    また なにかありましたら 

    いつでもご連絡くださいませ!

  4. ギン次 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    詳細有難うございましたぁ~

    お盆に大阪~鳥取~島根~岡山~帰阪と
    ロング走ってきましたけど、現在も大丈夫そぅです。また次回よろしく御願い致します。

    おっと、ガソリンを足しとかないと…