ATの変速ショック&AT載せ替え作業 @ 三菱 トッポBJ

ある日のこと、三菱トッポBJが秘密工場へ入庫してきました(^^)

オーナー曰く「ATの変速ショックが大きくて乗っていられない」と言われるので

早速お預かりしてテスト走行に行ってみると・・・

1速から2速へ変速するときに「ガツン!」という感じで繋がりオマケに多少「滑り」も

あるみたいでこれはホントに乗ってられません。オーナーにはとりあえずお預かりして

一度詳しく点検&診断してみますとお伝えしました。

まずはリフトアップして

ATのオイルパンのドレンからATFを抜くとチョコレート色した液体が出てきました。

指にとって見てみると黒い粉がいっぱい混じってます。たぶんブレーキバンドかクラッチ

関係のものじゃないかと(゜゜) そしてATのオイルパンを剥いでみます。

すると中からこんなものが出てきました

バルブボディーに使われている「アルミプラグ」が折損しておりました(ーー;)

変速ショックに直接作用はしてないとは思いたいのですがあまり気持ちのいいものでも

ありません( 一一) そしてオイルパンを綺麗に拭いてみると

折損したアルミプラグが暴れたであろう傷が残っておりました。

そしてバルブボディーからAT用のストレーナーを取り外します。

取り外した瞬間、「ドバッーーー」と茶色と黒が混ざったチョコレート色した

ATFが飛び出してきました(>_<)

これがAT用のストレーナー

古いストレーナーには粉がいっぱい付いており完全に目詰まりしてる感じです(ーー;)

(右:新品)これが原因でATFがキチンと吸い上げられずにATの寿命を縮めた

のではないか?と考えました。折角なのでバルブボディーとその周辺を洗浄しておきます。

チョコレート色の液体とチョコレートのような固形ブツが洗えば洗うほど出てきます(゜゜)

ほんとにドロドロでしたよ(>_<)

やっと綺麗になったところでバルブボディーに新品のストレーナーを組付けました。

オイルパンを組付けて純正のATFを注入。

リフトから降ろし暖気してATFの量を確認して改めて走行テストへ・・・

結果、「やったー!スムーズに変速してる!」とまではいきませんが

かなりマシにはなりました。それでも変速ショックは大きい(ーー;)

もう少し早く気づいて対処してればここまで壊れなかったかもしれませんが

そんなことは後のカーニバルなのでATFの交換時には必ずストレーナーの同時交換を

お勧めしております。ATFは普通の潤滑油ではなく「作動油」なので条件的には遥かに

厳しいはず。ATを長持ちさせるにはATFの管理がとても大事です。

ただ単にATFを抜き替えるよりもストレーナーの同時交換&洗浄には手間も費用も時間も

必要ですが少なからず効果はあると思います。話は戻りますが

このトッポBJのオーナーに車を引き渡し、車の現状を報告しましてこれから先は

どうするのか考えてもらうことにしました。

そして数日後のこと、トッポBJのオーナーから連絡があり いろいろと考え、悩み、

乗り換えも視野に入れ考えていたのですがやはりこの車を気に入っているので修理すること

を決断!今回は予算の都合で中古ATへの載せ替えに決定しました(^^;)

すぐに中古ATを手配したまたま程度の良いのが見つかったので改めてトッポくんを

引き取りまして作業を開始です!

まずはフロント周りをバラしていきます。

ドライブシャフトのブーツが破れていたので後で修理します。

エンジン&ATと繋がっているもの全て切り離しエンジン&ATを降ろす準備に入ります。

リフトを車の下に入れて車体をゆっくりと上げて行きます。

なんとか無事に降ろしました (^^;)

そしてこれが「抜け殻」。

降ろした「エンジン&AT」を点検します。

実はこのトッポ君、ATだけでなくタイミングベルトの交換やらエンジンマウントの交換

やら他にも色々とオーナーの依頼がありまして(笑) 一部を除きまして

この機会に全て作業することに決定です(*´з`)

まずはATを切り離します。チェーンブロックをかけて慎重に切り離していきます。

切り離したAT

切り離されたエンジン。

先にフライホイールを外しまして

クランクのリヤのオイルシールを打ち替えます。

車を下から見て「エンジンとミッションの間」からオイル漏れしている場合、

このオイルシールから漏れていることが多いです。交換にはミッション脱着、

もしくはエンジン&ミッション脱着が必要になりますぜ!

適度にオイル漏れもしております

そして載せ替え用の中古ATを箱から吊り上げて

やったことはないですがアンコウを捌く感じで(^^;)

吊り上げたままでフロントのオイルシールを打ち替えます。

古いシールを抜いて

AT側を綺麗にしてから新品のシールを打ち込みます。

古いATからパーツを取り外し新しく載せるATにコンバート!

そして準備が整いましたらエンジンとドッキングしますがこれが一人では中々入りません。

何度かチャレンジして力尽きそうになった時にやっとのことでスポッと入ってくれました。

これにて「第一段階」は終了です。

やっとのことでエンジンとミッションをドッキングしましたので

お次は「タイミングベルト」を交換します。

ファンベルトACベルトを外してタイミングカバーを外しますと

タイミングベルトがこんちくわ!(^^)

車上で作業するのとは大違いで何をするにしてもメチャメチャ作業がやり易い!

それとこの車には「バランサーシャフト」が付いておりましてこれを固定する為に

ブロック側からボルトを放り込みます。これで分解する準備が整いましたぜ!

タイミングベルトを外してカムとクランクのオイルシールを打ち替えして

ウォーターポンプも同時に交換します。

元のようにプーリーを組付けタイミングベルトを張ったら完了。

オイル漏れしていたタペットカバーのパッキンも交換です。

次に「エンジンマウント」の交換作業にいきましょう。

オーナー曰く「信号待ちでDレンジで止まっているとボディーがガタガタ震える?」

らしいです。なのでとりあえずエンジンマウントを交換していきます。

まずはリヤ側

そしてフロント側

そして左サイド側

完全に崩壊しておりました(゜゜)

これでは振動も吸収できるわけがありません。

エンジンマウントを全部交換しましてデフのオイルシールも打ち替え!

そして全ての準備が整いましたので愈々「エンジン&ミッション」を積み込みます。

位置を微調整しながらゆっくりと決して焦らず車体を下ろしていきます。

愛と感動の「合体!」\(^o^)/

やっとのことで「エンジン&AT」が収まりました。エンジン&ATを載せて終わりではなく

これから各部の「組付け&調整作業」が待っております。

まずはエンジンルーム内の「配線&配管関係」を全部つないでいきましょう。

そして載せ替えた中古ATのストレーナーとガスケットを交換する為にオイルパンを

剥いで古いATFを抜きます。

この中古AT,過去にATFは交換されてるみたいでキレイでした(^^)

これが外した「ストレーナーとATF」

この車のオイルパンは一度脱着されてるみたいで液体ガスケットが塗られていました。

これがガッチリと接着しておりスクレパーでシコシコと剥がします。

(コレが地味にしんどい)(ーー;)

液体ガスケットをキレイに剥がせたら

新品のガスケットとストレーナーを使用します。

組付け完了!(^^ゞ

遅ればせながら最初に発見したドライブシャフトのブーツの破れを修理。

分解してキレイに「洗浄&グリスアップ」してから

ドライブシャフトのブーツを交換して組みます。そして準備が整いましたので

エンジンオイル&エレメントを交換。ラジエターにLLCクーラントを注入。

最後にATFを注入したらエンジンを始動します!(^^♪

「ブルルンッ」と快調に一発始動!(^^)

このエンジンが無事に始動する瞬間は何回味わっても「ドキドキ」します。

そして恒例のテスト走行に・・・。テスターを繋いだまま走行し各データーを点検。

結果はあの「ガツーン」とくる強烈な変速ショックは見事に消え去り

またエンジンマウント交換のお陰で不快だった信号待ちの振動もほとんど感じません(^^♪

キチンと手を入れればこんなにも気持ち良く乗れるのにねと一人、悦に入っておりました。

そして最後の作業であるメインキー交換に取り掛かります。

キーを回してもエンジンが始動が出来ず特定のキーのひねり方や突っ込み方で始動したり

するのでシリンダー内部の減りとスイッチの焼けと判断しシリンダーとスイッチを交換です

ハンドル&ポストまわりを脱着。

キーシリンダーへなかなかアクセスできません(>_<)

結局ここまで分解しないとダメでした。この後シリンダーを引抜き&スイッチ交換です。

(共に左側が新品)全てを元通りに組付けてキーを捻ると何事もなかったように

エンジンが始動するようになりました。

ということでコレにて全ての任務が完了(^^ゞ

この車を首を長くして待って頂いたオーナーに無事に納車して一件落着でございます。

それじゃまたな~!(^o^)丿

 

冷却水漏れ修理&ATフルード交換作業@スバル レガシィ(BH5)
レガシィワゴン(BH5)の冷却水漏れ修理です。この年式前後のラジエターはアッパータンクに亀裂が入ったりOリングから水漏れしたりすることが多いです。スバル車の点検&整備はハッコーカーズへ

 

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