オイラは日々、自動車整備の世界で
いろいろなクルマのいろいろな「故障」を経験させて頂いてるのですが
その中でも「異音」に関係する故障にはよく泣かされます(ーー;)
どうしても感覚的なものに左右されるので「診断&判断」を誤りがちになります(ーー;)
今回登場するお車のオーナーは
「前の方からシュッシュッ?と擦る音がする」とのことで入庫してきました。
ニッサン セレナ(PC24)でございます。
「走っている時には鳴らないのですが信号待ちをして発進しだすと
擦るような異音が鳴り出すのですが・・・」
オイラはこのオーナーへの問診で
「信号待ちする→Dレンジでブレーキ踏む→発進→異音発生!」
こんな感じで想像しました。
異音を再現するために車体をリフトアップしてフロントのタイヤを手で回しましたが
全く異音はしません(^_^;)
なので今度はブレーキペダルを踏んでもらってから離してタイヤを回すと
フロント左側から「シュッシュッ」と音が鳴るじゃない(゜o゜)
オーナーも「この音だと思います!」と言われたのでオイラは
フロント側の「ブレーキの引きずり」が原因と判断しました!
ということで修理作業の開始でございます!
(^o^)丿
左フロントのブレーキ周り
ブレーキパッドは片減りしてました(^^)
フロントキャリパー脱着!
外したキャリパーをじっくり点検してみると・・・
2ポットの「ひとつのピストン」だけがこれ以上戻りません(゜o゜)
たぶんこれが「シュッシュッ」と鳴いてた異音の原因だと思われます。
これじゃブレーキは引きずりますしディスクパッドも片減りします!
最悪の場合、キャリパーの交換も視野にいれて
とりあえずキャリパーを分解してみて良否を判断しましょう!
(^_^.)
キャリパー分解中!
意外にもシリンダー内にはサビはなく
ピストンも少しのカジリだけ修正すれば使えると判断しましたので
キャリパーをオーバーホールすることに決定!
キレイに洗浄してからシールやブーツを組み付けたら
何度も出し入れしてピストンの動きチェック!
ピストンがスムーズに動くのを確認出来ればOK(^^)
反対側のキャリパーも同じようにオーバーホールしたら
あとは
新品のブレーキローター
新品のブレーキパッド&ブレーキホース
とオーナーか届いたら差し入れの品々を組み付けていきます
元のローター。
表側も結構荒れてますがウラ側は引きずっていた為に
かなり削れておりました(゜o゜)
ブレーキローター組付け
ブレーキホース
サポートも組付けたら
ブレーキパッドを組みます。
全てを組み付けたら
ブレーキフルードを入替え
準備が整いましたら
いつものテストコースにて
・異音はないか?
・引きずりはないか?
いろいろと試しながらテストしましたが全く「無問題!」(^^)
工場に戻って
フルード漏れがないのを確認しましたら
コレにて全ての任務が完了です!
(^^♪
待ちわびるオーナにも無事に納車することが出来ましたが
他にも少し気になるところがありましたのでそこのところは
オーナーにだけはそっとお伝えしときました
(^_^;)
何トンもの車重がある
自動車の「ブレーキシステム」は思いもよらぬ程の
過酷な条件の中で酷使されております。
しかし「安価」で「何もしない」車検や点検整備が横行している現在、
そんな「走る凶器」が身近でウロウロしている(゜o゜)
クルマは全てが「消耗品」のカタマリです!
「乗りっぱなしなんてありえね!」(`´)
定期的な「点検」そして適切な「メンテナンス」が
これからの時代、更に重要になってくると
オイラは常に思っております。
それじゃ またな!
(^o^)丿
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