ダイハツ コペン(L880K)@ エンジンの異音修理(前編)

最近では店主のまわりじゃ何を買うにしても「インターネット」で購入ってのが

普通になっているような気がしております(^^;)

しかも「高額商品」である自動車でさえもインターネットの中で簡単に買えてしまう。

すんごい世の中になったもんです。しかし今の世がどれだけネット時代であっても

機械もんってやつは購入して終りではございません!

購入したその日から「天国or 地獄」な日々が始まるのです(゜゜)

ダイハツ コペン L880K

ダイハツ コペン (L880K) であります。

オーナー曰く「つい最近ネットオークションで買ったのですがエンジンからは

変な音がするしMTのローとバックが入り難いのです etc」

だもんでコチラへ来る前にディーラーで見てもらったら

「エンジンが悪いので新車へ乗り換えましょう!」と言われたみたい(笑)

他にも数件渡り歩き、また地元でも大きな整備工場にも見てもらうと

「エンジンの音はウォーターポンプの音でギヤの入りが悪いのはMT交換ですね」

と言われたらしいです(゜゜) そしてやっとコチラへ順番が回ってきましたよ。

まずサウンドスコープで実際に異音を聴いていきます。

確かに定期的に「タン タン タン」とエンジンから鳴っています。

じっくり音の出所を聞いてみてから

店主「たぶんエンジンの中。タイミングチェーンの弛みじゃないかと思う」

オーナー「えぇ!ウォーターポンプじゃないの?」

店主「ウォーターポンプはこんな音はしないです」

それから少しテストドライブして

店主「たぶんMT、無問題!」

オーナー「ほんとに?じゃあ何が悪いのですか」

店主「たぶんクラッチ。クラッチ板が減っているのとキレが悪いのでは?

どちらにせよエンジンの異音の原因を掴んでから修理するかしないか

決めればよいと思います」

オーナー「分かりました。よろしくお願いします」

といったオーナーとのやりとりがありました。

「故障の本当の原因は何なのか?」真実は何時だって一つの筈。

それじゃ今回も始めましょう(^o^)丿

狭いエンジンルーム

相も変わらず狭いエンジンルーム。

JB型エンジン

コペンに搭載されているJBエンジンは4気筒ターボであります。

タペットカバー脱着

早速タペットカバーを剥いでタイミングチェーンを点検。

タイミングチェーン

(゜゜)!

タイミングチェーンの弛み

予想通りタイミングチェーンがメチャ伸びてました(゜゜)

タイミングチェーンが外れそうです

伸び過ぎて今にもチェーンがジャンプしそうです。危ないとこでしたよ!

カムセンサーに銀色の鉄粉

カムセンサーのところに何故か「銀粉」がたっぷりついてました。

何だか怪しいにほひがプンプンしております(゜゜)

オーナーに点検した結果を伝えて「修理しますか?」とお聞きすると

「了解しました。是非修理してください」とあらためてご依頼頂きましたので

作業開始です!(^^ゞ

フロントバンパー脱着

タイミングチェーン関係の修理とクラッチオーバーホールに着手!

まずはフロントバンパーを脱着。

車体前面

エンジン前面

コペンはタイミングチェーンを交換するのにシリンダーヘッドを外さねばならず

クラッチをオーバーホールするにもスペースが狭く大変なので結局エンジンを

降ろす方が作業性は格段に良いです。

下まわり

下まわりを拝見!

ブレースバー&マフラー脱着

作業を阻むものは全て撤去。エンジンを降ろすのに切り離すだけ切り離したら

エンジン降ろし中

エンジン本体を静かに降ろしていきます。

降りたエンジン

エンジン側面

無事にエンジンが降りました。

エンジンを降ろした状態

エンジンを降ろした状態

エンジンを降ろした状態。

エンジンを降ろしてリフトアップ

JB型4気筒ターボエンジン

軽とはいえ4気筒のエンジンは結構大きい。とりあえず分解していきます。

各部を脱着

インマニ脱着

取り外したインマニ

インマニ脱着。水ホース&バイパスホースは年式&走行距離や後々の作業性の

悪さを加味して出来るだけ交換しておきます。

タービン

カタツムリ(タービン)

排気側

排気側です。カタツムリが一匹装着されております。

触媒脱着

EX側のボルト&ナット関係は焼き付いているのが大半なので

緩まなかったり折れたりして結構泣かされます(T_T)

オイルパイプ

タービンのシャフトのガタなどを点検したりしながら排気関係を分解していた時に

ちょいと違和感を感じました。タービンを潤滑させるためにエンジンオイルを

使うのですが何故かこのパイプだけがやけに新しい(゜゜)

そうやって見てみるとタービン自体も何か新しいんじゃねえか?

この時点で店主はとてつもなくイヤな予感がしておりました。

タイミングチェーンの弛み大

改めて点検してみるとタイミングチェーン、想像していた以上に伸びてました。

カムセンサーのところに銀色の鉄粉

この謎の銀粉。

削れているのを発見

調べていくとどうも原因は「チェーン伸びる→シリンダーヘッドに当って削れ→

銀粉が散らばる→カムセンサー」に溜まったみたいです。

そのチェーンの「打音」が今回のエンジンの異音だったみたいで

チェーンアジャスターが限界まで飛び出している

チェーンのアジャスターもほぼ限界まで飛び出していました(゜゜)

ブランジャー

タイミングチェーンが弛むと自動的に調整してくれるブランジャー。

MAXまで完全に飛び出しており、これ以上チェーンが伸びても押すことが

出来ない状態でした(゜゜)

カムまわり

コレだけタイミングチェーンが伸びている割りにはシリンダーヘッドの中が

やけにキレイなことが逆に不信感を覚えましたよ(`´)

シクネスゲージによるクリアランス点検

シクネスゲージでバルブクリアランスを点検中!

シクネスゲージによる点検

実際にバルブクリアランスを測定してみると基準値を遥かにオーバーしており

「ハイカムかよ?」っていうくらいバルブが沈んでおりました(+_+)

カムホルダーのボルトに溜まったスラッジ

何故かカムホルダーのボルトの頭にはスラッジがたくさん溜まっており

それよりも低い位置にあるヘッドには全くスラッジがなくキレイな状態・・・

マジでありえねぇ!ココまで来たらもう後戻りは出来ないのだぞ。

カムシャフト

カムシャフト脱着!

カム山にもジャーナル部分にも深いキズが・・・。

カムホルダーのメタル部分に傷あり

当然ホルダーにも(゜゜)

シリンダーヘッドのメタル部分にも傷大

そしてシリンダーヘッド側にも(T_T)

検証した結果、ずっと抱いていた不信感は確信に変わりました。

このエンジン、前オーナーのオイル管理がめちゃ悪くてタービンもアウトになり

エンジンもスラッジが尋常じゃないくらい溜まっていたと思われオークションに

出品する為にたぶん思いっきりフラッシングしたり添加剤をブチ込んだりと

思われます。しかし ひでー話だな!(`´)

結局は次のオーナーが全てのツケを被ることになるのですぜ。

シリンダーヘッド脱着した状態

シリンダーヘッドを剥いだ状態。

シリンダーブロック

シリンダーヘッド

シリンダーヘッドですがマジマジ見てみると当たり前ですがとても燃焼状態が

良好だったとも思えず、これまでのことを総合的に鑑みても店主の中では腰下を

分解するまでもなくこのエンジンは「アウチ!」と判断しました(^^;)

お手軽で誰でも参加出来てお安く買える?「ネットオークション」。

その闇のなかには「虎」や「狼」が牙を研いで獲物を待ち構えているかもしれない。

皆さま どうかお気を付けくださいませ(ーー;)

 

ダイハツ コペン (L880K)@ エンジンの異音修理(後編)
コペン(L880K)のリビルトエンジンへの載せ替えの記録です。エンジンを降ろしたのでマウントや各ホース&ガスケットにクラッチ関係は作業しておかないと後で必ず後悔します。

 

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ハッコーカーズ|note
大阪の片隅に引き篭もりつつ ひっそりこっそり自動車やバイクの修理をしているものです。 現在のこと、これからのこと、過去に経験したことなど書き留めてゆきたい(^^;) で自動車の整備&修理の情報を発信中。

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