原因の探求!@ トヨタ クラウン(JZS171)

ある日「車を点検して頂きたいのですが・・・」とお電話を頂きました。

その時にもいろいろとお話をされたてたのですが電話じゃ伝わらないことも

多々ありますので(^^;)

とりあえず秘密工場まで来てもらい詳しいお話を聞くことになりました。

オーナー曰く「実は他店で何度か異音修理をお願いしてメカの方に同乗してもらったり、

疑わしい部品を交換してもらったのですが全然直らず。終いには「気にし過ぎでは?」と

言われました」とのこと。

それと「オイル漏れも2回修理してもらったのですがコレも自宅ガレージの床に

未だにオイルが落ちているので再修理をお願いしたのですがコレも「直らず」。

以上のことから他の修理工場に修理を依頼するべく探していて秘密な工場にたどり着いた」

という経緯でした(^^;)

折角なんでその場で実車を簡易的ですが点検してみることになりました。

まず「異音」ですが「一定条件でしか鳴らない」困ったちゃんですが

サウンドスコープでオーナーが言う「音」に似た音を探します。

エンジンルーム内の音を隈なく聞いているとあるところで本当に微かですが

オーナーが言う「異音」に似た音が不定期に聞こえます。

なのでオーナーに聞いてもらうと

「コレです!たぶんこの音だと思います。この音がエンジン音に比例して大きく

聞こえるんですよ!」ということで暫定ですが原因らしきものを発見(^^;)

店主は「このパーツが原因かどうかは分かりませんが可能性は大いにあると思います」と

だけお伝えました。次にオイル漏れですがコレに関しましてはエンジンルームを見たら

大体わかりました。ということで改めて修理依頼を頂きましたので長~い前フリでしたが

今回もいってみましょう(^o^)丿

車はトヨタ クラウン(JZS171)でございます。

エンジンは「1JZ」のNA。

メンバーのところ辺りがべトべト。

下から覗くとオイルパン、メンバーがオイルまみれになっており

クランクシールからのオイル漏れ

クランクのところからも漏れてきております。確かにコレだけ漏れてりゃガレージの床に

染みにもなるでしょうに(笑)

とにかく分解していけば全てが判るはず!

タイミングベルトは以前に他店で交換済み!

原因追求の為、どんどん分解していくのです。

オートテンショナー。オーナーの気になる異音はたぶんコヤツが原因ではないかと。

タイミングケースの中はエンジンオイルでベタベタ(゜゜)

オイル漏れの原因はどうもカムシールからみたいです。

タペットカバーからも漏れてきていたのでココのパッキンも交換します。

キレイなカム周り

しかしこのクラウン、走行は24万kmを超えているのですが

未だ現役でバンバン走っており、オーナーの愛情が充分伝わってきます。

カムプーリーを外してバックプレートも取り外します。

やはりカムシールからボトボトと漏れてきておりました(゜゜)

左側のカムシールもアウチ!

クランクシール。この時点で判ったことは前回のタイミングベルト交換時に

「タイミングベルト」「ベアリング」「ウォーターポンプ」「クランクシール」

のみを交換していること。

肝心のカムシールは交換されていませんでした(ーー;)

たぶんシールを交換するのに「手間と時間」が必要なので惜しんだのかなと。

結局「時限爆弾」のように時が来たら漏れ出すんですけどね。

しかしこれだけエンジンオイルがジャジャ漏れなのに直せないっていうか

手間が掛かるから「直したくない」それともオイルの漏れ箇所がホントに

分からなくて「直せない?」と今となっては知る由もナイです。

クランクシールを抜いてキレイに清掃したら

新しいクランクシールを打ち込みます。

フロントのカムホルダーを外してキレイにしたら

新品のカムシールを打ち込みます。

抜き出したカムシール。カチカチのパリパリでした(゜゜)

折角なんで調べたらチョイとガタがあるのが判りましたのでウォーターポンプも同時に

交換しておきます。

油にまみれた「オートテンショナー」

新品のクランクシャフトロックボルト

クランクプーリーのボルト。実はこのエンジン、クランクプーリーのボルトが

めちゃくちゃ固く締まっているので有名なのです。

ほんとに工具が割れたりするくらい固いので大変。

だもんでコチラでは出来るだけボルトは再使用しません。怖いので(^^;)

ドンドン組んでいきますよ!

タイミングケースのガスケットもオイルでふやけてましたので交換。


タペットカバーのガスケット&PCVバルブも交換。

異音の原因かもしれない「暫定」なあの子も交換です。

VVTのバルブもキレイに清掃して組付けます。

ヘッドカバーを組付けたら

スロットルボディーを組付けます。

ファンベルトとホース関係も組付け出来たら

ラジエーターを組んで冷却水を入れてエンジンを始動!(^^)

水温を見ながら「異音&オイル漏れ」がないか点検します。

オーナーからは追加で「エアコンの調子も点検して欲しい」とのことでしたので

マニホールドゲージをセットして診断していきます。


エアコンも他店で過去にコンプレッサーを2回交換しているらしく

今回こちらが診断した感じではそこのところが怪しさ満点のような気がします(^^;)

とりあえず、もう少し暖かくなってから再入庫してもらうことにしました。

そして全ての準備が整いましたので

いつものコースにてテスト走行。そして工場に戻ってきたら

ピットにて下回りを点検!オイル漏れ・水漏れ・異音等がないのを確認。

ということでコレにて全ての作業が完了です(^^ゞ

待ちわびるオーナーには今後のことをご説明して納車させて頂きました。

これからもどんどん現役で走っていただきたいと思います。

それじゃ またな~(^o^)丿

 

オイル漏れを止めましょう!@ トヨタ クラウン(JZS171)
クラウンのオイル漏れ修理です。エンジンオイルの漏れが酷いのでキレイに洗浄し原因を追求してみるとほとんどタペットカバーからの漏れでしたが1JZエンジンは上物を分解するのが大変でした。

 

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ハッコーカーズ|note
大阪の片隅に引き篭もりつつ ひっそりこっそり自動車やバイクの修理をしているものです。 現在のこと、これからのこと、過去に経験したことなど書き留めてゆきたい(^^;) で自動車の整備&修理の情報を発信中。

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